image

 

「トランプ新大統領の中国への政策は厳しく、人民元の為替レートを引き上げることや、安い中国製品の反ダンピング制度を取り入れることなどを口にしています。大統領就任後、数カ月かけて、中国製品は高くなるかもしれません。中国産の冷凍食品や衣料品の価格に大きく反映される可能性はありますね。また、昨年冬にOPEC(石油輸出国機構)が原油を減産する方針を示し、原油価格が高騰。その1週間後にはガソリンが1リットル120〜130円ほどに上がりました。今後も140円前後まで上がる傾向にあり、大きなテロなどがあれば、160円くらいまで引き上げられることも考えられます」

 

そう語るのは生活経済ジャーナリストの柏木理佳さん。混沌とする世界情勢と、加速する少子高齢化問題などの影響が、さまざまなものの“値上げ”という形で、私たちの家計を圧迫しそうな’17年−−。そんな、’17年上半期に起こる“値上げ”を柏木さんに加え、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さん、税理士の眞喜屋朱里さんに予測してもらった。

 

【1月】地震保険料が東京都の木造建築で年間3,700円アップ

 

「このところ、折を見て改訂されている地震保険。東日本大震災後も、すでに2回ほど保険料が見直されています。東京都の資産価値1,000万円の物件の場合、鉄筋コンクリート建築に対して年間約2万200円だった保険料が、2万2,500円ほどに値上がりします。同様に木造建築の保険料は、3万2,600円が3万6,300円に」(風呂内さん)

 

【2月】電気料金が年間1,000円近くUP!

 

「一般的な家庭で、月額40円から75円程度値上がりする見通しです。昨年4月に電力自由化されましたが、実際に電力会社を乗り換えている世帯はわずか4%。電力会社の比較サイトを利用して、あらためて検討してみてもいいかもしれません」(風呂内さん)

 

【3月】教育費が値上がり!

 

「’16年は統計開始以来、初めて年間の出生数が100万人を切る見通しです。少子化により、子ども関連のお金は高くなる傾向にあります。東京都内でも、保育園の保険料の値上げが始まっています。私立の学校も生き残りに必死です。東京都が私立中学校181校を調査したところ、’17年度の初年度納付金(入学金含む)を値下げする学校は1校のみなのに対し、値上げをするのは36校にのぼりました」(柏木さん)

 

【4月】タワーマンション高層階の課税強化!

 

「4月以降に20階建て(60メートル)以上で新築の高層マンションを購入すると、上層階にいくほど、固定資産税と不動産取得税が高くなります。40階建ての最上階は1階より10%程度割高になる計算です。低層階はむしろ減税になります」(眞喜屋さん)

 

【5月】納豆や豆腐が値上げ!

 

「原油高の影響で食料品が5月ごろから10月くらいにかけて、ゆるやかに上昇していくと予測されています。食料品全般で7月までに1.5%、穀物に関しては3%ほど値上がりするでしょう。原材料の大豆が高くなることから、納豆や豆腐の値上げもありえます。また、原油高でプラスチックなど化学製品の価格が上昇する可能性も。食品用ラップが値上がりしたり、100円ショップの商品量が少なくなったり小型化されたりするかもしれません」(柏木さん)

 

【6月】はがきが62円に!

 

「現在、52円の郵便はがきが62円に。これは’14年の消費増税以外では、23年ぶりとなる値上げです。ただし年賀はがきは52円のまま据え置かれる予定です」(風呂内さん)

 

“値上げラッシュ”が予想される’17年。どのような防衛策を取ればいいのだろうか?眞喜屋さんは次のように話す。

 

「外食を減らして、家で食事をする時間を楽しんだり、節電のため、一つの部屋で一緒に過ごす時間を増やしたりするなど、節約を家族の団らんと結びつけるといいかもしれませんね」

関連カテゴリー:
関連タグ: