不思議なパンツがあるんです♪ 元気が出てくるカラフルパンツ。三段腹でも、ん~セクシー♥。へそまで隠れる、いわゆるデカパン!
軽快なリズムに乗って、色鮮やかなパンツが右に左に踊る。知る人ぞ知る、このCM。「作詞は私です。こんなの、誰も作らないでしょ!」。株式会社ヘーラー(那覇市小禄)の平野恵子社長(63)が胸を張った。
創業35年、女性用下着の製作・販売などを手掛ける同社。売り上げの半分を、この「いわゆるデカパン」、ヘーラーパンツが占めている。
作曲は豆腐屋さん?
CMを作ったのは20年ほど前。「誰が作曲してくれたのか、忘れました…。豆腐を売ってた人だと思う。ギャラは確か5万円。CMの声はその奥さんです」。平野さんが出演するラジオで流した。「居酒屋に行ったら、お客さんが歌ってくれててうれしかった。いつの間にか、CMでヘーラーパンツを知ってくれた」
ヘーラーパンツを開発したのも、補整下着の製作・販売で知られた平野社長という。「ひもパンとかいろいろ作ってたけど、20年以上前からデカパン1本。ブリーフみたいに安心感のあるはき心地です。三段腹も隠れて見えないし、ボディーラインも崩さない」と自信満々。
すっぽりタイプ(税込み1728円)と「セクシーでかわいい」(平野社長)レースタイプ(同2700円~)があり、赤や黒、ベージュなど16色を用意している。購入者の9割が「すっぽりタイプ」で、その大半が40~80代。若い女性には取っ付きにくいようで…。
もう離れられない
10枚以上持っているという営業担当の玉城梓さん(27)も「ムラムラするパンツではないですよね」と苦笑。洗濯の際、初めて手にした夫は「なんでこんなダサいパンツはいてるの?」。それでも玉城さんは「包み込まれる感じのとりこになってしまって。最近はこれしかはいてないです」と営業スマイル(?)。
社員は13人で、そのうち女性が11人を占める。「もちろん、全員がヘーラーパンツをはいています」と平野社長。実は、西日本を中心に年間10万枚近くを売り上げるなど、デカパン愛好家はあちこちにいる。「これから全国展開していきますよ!」。CMから飛び出してきたかのように、今度は平野社長のツインテールが揺れた。
(随時掲載)
(2018年7月10日 琉球新報掲載)