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8月6日の広島原爆の日、9日の長崎原爆の日、15日の終戦の日……。8月は、特に皇室にとって戦争犠牲者を慰霊し、過去の過ちを顧みて平和を祈る大切な時期だ。

 

「毎年8月15日に行われる戦没者追悼式も両陛下が出席されるのは今年が最後となり、来年からは皇太子ご夫妻に引き継がれます」(皇室担当記者)

 

両陛下は長年にわたり国内外の戦地に赴かれ、全身全霊で慰霊の旅を続けてこられた。皇太子ご夫妻は来春の即位後、平和への祈りをどのように受け継がれるのだろうか。皇室ジャーナリストが語る。

 

「天皇陛下が皇太子時代におっしゃった『日本人が忘れてはいけない4つの日』(前述の3日と6月23日の沖縄戦終結の日)には、必ずご一家で黙祷されて、また戦争にまつわる歴史なども学んでいらっしゃいます。ただ、皇太子ご夫妻は、すでに多くの国民がそうであるように、直接の戦争体験はありません。両陛下とは異なる戦争への関わり方を模索され“新たな天皇皇后像”を思い描いていらっしゃるのではないでしょうか」

 

雅子さまは外交官時代から、世界の貧困や紛争にも心を痛めていらっしゃった。毎年の誕生日に開かれていた会見で、雅子さまは国際紛争について繰り返し言及されている。

 

「雅子さまは、ダイアナ元妃(享年36)の国際的な活動にも、尊敬とシンパシーをお感じになっていました」

 

そう話すのは、皇室ジャーナリストの渡邉みどりさんだ。

 

「没後20年経った今も、ダイアナ元妃の人気は衰えません。その理由には、病床の子どもたちやホームレスなど世界中の恵まれない人々に対する慈善事業や、また実際に多くの国々を訪れて、国際親善やエイズに関する啓蒙や地雷問題などに取り組んだことが挙げられると思います。ダイアナ元妃が’95年にイギリス赤十字の副会長として来日した際には、雅子さまと英語で親しく話されていました。雅子さまも児童福祉問題に関心を持たれているなど共通点も多く、お気持ちが通じ合われたのでしょうね」

 

亡くなる直前の’97年には、アンゴラの地雷原を歩いて足を失った少女を膝の上に抱かれるなど、世界中に地雷の存在を伝え平和を求める姿勢を示したダイアナ元妃。

 

「雅子さまは皇太子さまからのプロポーズの際、これまでの外務省での経験を国際親善の場で生かしてほしいというお言葉をいただき、それを大切に思われて嫁がれました。新しい世代の皇室外交を、ご自分が担っていくという夢を抱かれていたのでしょう。ダイアナ元妃は、まさに雅子さまの目指す皇族としての国際貢献を体現した女性だったのです」(前出・皇室ジャーナリスト)

 

しかし、雅子さまがダイアナ元妃のように世界中の紛争地を飛び回ることはなかった。ご成婚から10年間はお世継ぎを求める声のため、その後の14年間は適応障害のご療養のために、海外に出て活動されることはかなわなかったからだ。

 

それでも宮内庁関係者は、来年新皇后になる雅子さまに、大きな期待を寄せているという。

 

「昨年から雅子さまは積極的にご公務に取り組まれています。この秋にはフランスご訪問も予定されており、海外渡航への障害はほとんどなくなっています。さらに雅子さまは今年に入って6回も、国際情勢に関する情報の収集や分析などを行う外務省国際情報統括官のご進講を受けられています。雅子さまはとくに、世界の子どもたちが置かれている状況について詳しく勉強されているそうです。長期ご療養中も国連大学へ通われていましたが、雅子さまは国際情勢を学ばれながら、新皇后に向けてのご準備を続けてこられたのでしょう」

 

着々と準備が進められている雅子さまの次世代計画。世界中の子どもたちの笑顔のため、雅子さまが「愛の国際平和活動」にまい進される日も近い――。

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