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2015年度の教員採用試験を巡る口利き疑惑について、当時沖縄県副知事の安慶田光男氏が虚偽の証言で名誉を傷つけられたとして、前教育長の諸見里明氏に損害賠償などを求めた訴訟の判決で、那覇地裁の平山馨裁判長は11日、安慶田氏の口利きはあったと認定した。安慶田氏の訴えは不法行為に該当するとし、反訴した諸見里氏へ損害賠償計525万円を支払うよう命じた。安慶田氏側の請求は棄却した。

 

判決について安慶田氏はコメントしなかった。同氏の代理人弁護士は控訴について「判決内容を精査し今後の対応を考えたい」と述べるにとどめた。

 

判決は口利きを依頼されたという諸見里氏の証言について「迫真性に富み、自然で格別不審な点はない」とした。その上で不正への加担を疑われかねないリスクを負う口利きの事実について「虚偽に作出してまで原告をおとしめようとする十分な動機は見いだし難い」と指摘し、諸見里氏がリスクを押して県教委に口利きを証言したのは「不正を見過ごせない正義感に駆られての行動で自然」と認定した。

 

安慶田氏側は虚偽の情報が諸見里氏から新聞社に提供され、疑惑報道によって名誉が毀損(きそん)されたと主張していたが、判決は情報源の特定はしなかった。その上で「仮に(諸見里氏が)情報を提供したとしても公益を図る目的でなされたことは明らか。違法性はない」と判断した。

 

諸見里氏の証言を虚偽だと公言した安慶田氏による会見や提訴、告訴も違法だと認定した。

 

判決を受け、諸見里氏は「裁判所の認定は県教委や第三者委員会の判断に沿う正当なものと確信している」と評価した。平敷昭人教育長は「コメントすることはない」とした。

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