再会を果たした遠藤梓さん(左から2人目)と儀保真知子さん(同3人目)、儀保賀丸君(右端)、阿部好弘医師=11月27日、伊江村立診療所 画像を見る

【伊江】13年前、民泊で伊江島を訪れた医師の遠藤梓さん(27)=新潟県出身=が、11月1日から30日まで伊江村立診療所で医師としての初期研修を行い、念願だった「伊江島のお母さん」の儀保真知子さん(53)=村西江上=との再会を果たした。遠藤さんは、群馬大学医学部で6年間勉学に励み2年前に卒業、群馬県太田市にある太田記念病院に就職した。

 

就職の決め手になったのは「初期研修の中の地域医療・離島研修場所に伊江村立診療所があったこと。新潟大学付属新潟中学校2年生の修学旅行で、伊江島で民泊体験した時にお世話になったお母さんにもう一度会いたい。そして、離島での医療を経験したいと考えた」と話す。

 

修学旅行後の遠藤さんの文集には、島の人の温かさや美しさ、初めて赤ちゃんのおむつを替えたことなどの思い出がつづられている。当時赤ちゃんだった、真知子さんの息子の賀丸君は、現在伊江中学校の2年生。遠藤さんたちが来島した時と同じ年齢になった。

 

真知子さんは「また、会えてうれしい。遠藤さんたちが島に来た時と同じ年齢に自分の子も成長した。感慨深いものがある。立派なお医者さんになってまた島に戻って来てほしい」と目を潤ませた。

 

遠藤さんは研修を「診療所が島の人の生活に密着している。専門科に関係なく全ての患者を診て、大変だけどやりがいはある。村立診療所所長で指導医の阿部好弘先生は、患者からの信頼も厚く指導熱心。学ぶことが多く充実した1カ月だった」と振り返った。

 

島を離れる日、真知子お母さんは「いってらっしゃい。いつでも帰っておいで」と見送った。

 

(知念光江通信員)

【関連画像】

関連カテゴリー:
関連タグ: