「れいわ新選組」公認で東京選挙区(改選数6)に立候補した沖縄県出身の野原善正さん(59)は21日投開票の参院選で、20人の候補の中、21万4438票を集めたが8位となり、当選はかなわなかった。公明党の支持母体・創価学会の現役会員であることを前面に出し、選挙期間中は「いつまで沖縄に基地を押し付けるのか」と訴え、東京都民に自分事として考えるよう問い続けた。落選を受けて開いた会見では、「れいわ新選組」代表の山本太郎さん(44)が次期衆院選に向けて意欲を示す中、野原さんも出馬する意向を明言した。
「のはらっ、のはらっ、のはらっ」。投票日前日の午後7時すぎ、東京・新宿駅西口の小田急百貨店前に野原コールが響き渡った。路上から歩道橋まで人があふれ、熱気に包まれた。
◆立候補の理由
野原さんは沖縄創価学会壮年部に所属するが、昨年9月の沖縄県知事選では自公支持の候補ではなく、辺野古新基地建設に反対の玉城デニー氏を応援した。
公示の4日午前。野原さんは新宿駅西口でマイクを握り「日米安保条約のプラス面を肯定される方々は、そのマイナス面を一手に引き受けている沖縄の現状をもっと真剣に考えてもらいたい。いつまで他人の不幸の上に自分の幸せを築くつもりでしょうか」と語気を強めた。都民や国民に向けて「どうぞ沖縄の痛みを、他人の痛みとしてではなく、自分の痛みとして真剣に考えてくれるよう切に希望する」と訴え掛けた。
◆衆院選に意欲
東京選挙区には公明党代表で現職の山口那津男氏(67)も立候補していたが、野原さんは「なっちゃんとガチンコ勝負致します」と挑んでいった。
辺野古新基地建設の容認も含め、安保法や共謀罪にも賛成した公明党に対する危機感があった。14日には東京・信濃町にある創価学会総本部前でもマイクを握った。「公明党には、平和・福祉という立党の精神に返ってもらいたい。」と繰り返した。今回は落選となったが21万余の票数について野原さんは「21万は実力不足」と支持者に陳謝した。次期衆院選への対応を記者から問われた山本さんがその場で出馬を打診すると、野原さんは「はい、喜んで」と応じた。