旧第一牧志公設市場周辺のにぎわいを取り戻そうと、周辺の事業者が旧市場の外側の敷地を活用してイベント開催などに取り組んでいる。5日には「市場のそばで古本市」(市場の古本屋ウララ、市場中央通り第一アーケード会主催)が開催された。
旧市場は6月に営業を終え、旧にぎわい広場に建設された仮設市場が7月にオープンした。旧市場周辺の人通りが減ったため、周辺事業者が那覇市の許可を得て8月から旧市場の外側の敷地に商品を並べるなどして、にぎわいの創出を図ってきた。
古本市は写真家の垂見健吾さん(71)、本部町営市場でカフェを営んでいる知念正作さん(40)、沙織さん(39)夫妻ら多彩な5組が出店した。
垂見さんは1973年に来県した際に初めて同市場を訪れ、その後も年1~2回通ったという。「昔は写真を撮られたら魂が抜けると考える人もいたので、最初は市場の人を撮らせてもらえなかった。通ううちに仲良くなった」と笑う。2022年開場予定の新市場について「沖縄の強みを生かし、今より活性化してほしい」と期待を寄せた。
沙織さんは「那覇の市場にもよく“偵察”に来ている。市場は同じ匂いがする」と笑い「古本市は本を通してコミュニケーションできるのがいい。本部でも参考にしたい」と話した。
旧市場は早ければ10月にも内部の解体工事が始まる予定。ウララの店主・宇田智子さん(39)は「市場が移転した直後と比べると人通りはかなり良くなっている。工事が始まった後も工夫して頑張っていきたい。旧市場の建物も見納めなのでぜひ来てほしい」と話した。古本市は12日午前11時~午後5時にも開催する予定。
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