先日の4連休には京都に大勢の観光客が(写真:時事通信) 画像を見る

連日、全国各地で過去最多の感染者を記録するなか強行された政府肝いりの「GoToトラベルキャンペーン」。中止や適切なタイミングでの開始を求める声が高まるなか、27日に菅義偉官房長官は「現状では東京都以外の地域を除外することは考えていない」と述べるなど、強気な姿勢を崩していない。

 

しかし、こうした政府の“怠慢”が日本を崩壊に導くかもしれないのだ。

 

現在、新規感染者の多くを占めているのがアクティブな20~30代。また無症状患者や感染経路がわかっていない事例も多い。こうした現状から前出のユウ先生は、「無症状の感染者から高齢者などに伝播し、第1波以上に重症者や死者が増える可能性はあります」と、懸念を示す。

 

さらに、GoToトラベル強行によって、経済を再生させるどころか後退させる可能性が浮上している。第一生命経済研究所首席エコノミスト・永濱利廣さんは「逆効果」だと指摘する。

 

「今回の開始は最悪のタイミングだったと言えるでしょう。いま感染が広がっている中で、そもそも前倒しすることがおかしい。東京が対象外になる物理的な影響以上に、“旅行に行きたい”という気持ちが低下して、旅行需要が押し下げられる可能性があるからです。

 

感染が落ち着いてから9月以降に東京も除外せず行えば、観光需要創出効果は1兆円程度拡大する可能性があるという試算でした。しかし、東京を除外し、時期も前倒ししたことで、4割減の6千億円程度になるかもしれません」

 

また最悪の場合、観光業界以外にも波及する恐れが。

 

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