11月8日、英国の戦没者追悼記念日(リメンブランス・デイ)の式典が行われ、エリザベス女王をはじめとした王室メンバーが出席した。リメンブランス・デイは第一次大戦の戦闘終結日(1918年11月11日)を記念して、ジョージ5世が定めたもので、出席者は戦没者の象徴としてヒナゲシの花を身に着けることがならわしとなっている。式典では、王族や首相が慰霊碑にヒナゲシの花輪を捧げ、その様子はテレビで生中継される。
今年も軍服に身を包んだウィリアム王子らが赤いヒナゲシの花輪を置く姿が大々的に報道された。一方で米国在住のヘンリー王子から、自らの分の花輪を捧げるよう王室に依頼があったが、「すでに王室の代表者ではない」として断られていたという。Sunday Timesが伝えている。
ヘンリー王子は約10年にわたり英国陸軍に在籍し、アフガニスタンにも従軍した軍歴を持つ。傷病兵のためのチャリティを主宰するなど、戦争の犠牲者には並々ならぬ思い入れがあることで知られている。「もし、新型コロナウイルスのパンデミックがなければ、リメンブランス・デイの前後には間違いなく英国入りし、軍の仲間と共に哀悼の意を捧げていたはず」と関係者はPEOPLE誌にコメント。
式典への出席も、花輪の奉納も叶わなかったヘンリー王子は式典の前日にポッドキャストで、戦没者にヒナゲシを捧げる伝統について語り、「私は全ての退役軍人と彼らが愛した人たち、特に傷病軍人の家族の勇気と決断力を讃えるためにこれを身に着けます。慰霊碑の前に立つ時は、これらの人々に敬意を表しながら、花輪を置くのです」と話した。