家の中で楽しめるエンタメや流行を本誌記者が体験する“おこもりエンタメ”のコーナー。今週は、今年のアカデミー賞で編集賞と音響編集賞を受賞した『フォードvsフェラーリ』をご紹介します。
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特に車好きでもないのに劇場へ足を運び、不覚にも涙してしまった記者。実話をもとにした伝記映画です。
あらすじとしては、’66年のル・マン24時間耐久レースで絶対王者フェラーリに挑んだフォード側の内幕が描かれます。フォードから依頼を受けたキャロル・シェルビー(マット・デイモン)は、フェラーリ社に勝つため、車の開発や優秀なドライバーの獲得に奔走。
そして、出会ったのが性格に難ありだけど天才的技術を持ったレーサーのケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)です。現場にいる2人のモータースポーツへの愛とプライドを、ビジネスの好機としてしか見ないフォード上層部。それは一般社会にも当てはまる現場vs.上層部といった展開です。
そんななかで描かれる友情。すご腕なのに不器用すぎて世渡り下手なケンに根気よく付き合い、才能を引き出していくキャロル。男の熱い友情物語になりがちなところをケンの息子ピーターの存在によって深みが出ています。
153分という長丁場ながらも手に汗握るカーレースシーン、リアルな音響、名優たちの演技と、カーレースに明るくない記者でも引き込まれました。そして、ル・マンの表舞台で脚光を浴びるはずだった幻のヒーロー、ケン・マイルズという人物に思いを巡らすのでした。
「女性自身」2020年12月15日号 掲載
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