「長引くコロナ禍において、免疫力を高め、気分転換を図るためにも、バスタイムを有効活用しましょう。シャワーだけで済ませるのではなく、お湯をはった湯船にきちんと浸かることで、心と体にたくさんのメリットが得られます」
温泉療法専門医で東京都市大学人間科学部教授の早坂信哉先生はそう話す。早坂先生は入浴の健康効果を20年にわたり研究している入浴法のエキスパートだ。
入浴による健康効果の代表が、温熱効果(温め効果)。全身が温まることで、血管が広がり、心臓の動きが強くなる。すると、血液の量も増え、血流も良好に。たくさんの血液が全身を駆け巡るようになる。
「体温が上がり、血流が改善されると、血液内の白血球やリンパ球などが活性化します。白血球やリンパ球の一種であるナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、ウイルスや細菌などと戦い、感染細胞の拒絶に重要な役割を果たします。そのため、入浴による血流の促進が、免疫力を上げることにつながるのです」(早坂先生)
鼻や喉の粘膜は乾燥すると免疫力の低下を招きやすい。最近では毎日マスクを着用しているため、呼吸も浅くなりがちだが、蒸気の立ち込める浴室で湯船に浸かってゆったりと深呼吸すれば、鼻や喉の粘膜も潤い、免疫力低下を防ぐことができる。
「女性自身」2020年12月15日号 掲載