【多良間】一本の新聞投稿が多良間村の子どもたちに牛丼を運んできた―。12月9日、多良間村の園児、児童、生徒たちは給食で石垣牛をふんだんに使った牛丼に舌鼓を打った。2019年に琉球新報に掲載された伊藤秀一さん(当時、多良間小6年)の「多良間牛を未来に残す」の投稿に「感動した」という石垣市の畜産家、金城利憲さんが12キロの石垣牛を子どもたちに贈り、この日の保育所と小中学校給食で提供された。伊藤さんは「まさかこんなことになるなんて思わなかった」と驚き、感謝しながら友人と一緒にぺろりと牛丼を平らげた。
伊藤さんは投稿で、多良間牛の生産頭数が減っていることを憂い、原因が高齢化や人手不足にあることを指摘した。多良間島を代表するものが減るのは「とても悲しいこと」と述べ「畜産家になって多良間牛の素晴らしさを他の地域の人たちに伝える。今から牧場の手伝いをしてどんな仕事をするのか学びたい」と結んだ。
この投稿を読んだ金城さんが学校側に連絡を取り、石垣牛などを寄贈した。金城さんは「多良間牛の将来のことを考えていて素晴らしい。自分に何ができるかと考え、多良間牛を未来に残したいという思いに感動した」と話した。
現在、多良間中1年の伊藤さんは「これからももっと牛舎の手伝いをして多良間牛が減らないように頑張りたい」と誓った。
(清村めぐみ通信員)
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