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さまざまな制限が解除され、ずっと我慢していた旅行にようやく出かけられる日も近そう! でも、人気の観光地でこそ、感染予防にはきちんとした心がけが不可欠ですーー。

 

「今は公共交通機関のほか、ホテルや旅館といった宿泊施設などでも念入りな感染症対策がなされているので、コロナ禍以前よりも感染リスクは少ないと思います。しかし、まだコロナが収束したわけではありません。不特定多数の人たちが行き交う場所に行く場合は、引き続き注意が必要です」

 

こう警鐘を鳴らすのは、日本感染症学会専門医で、東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授。

 

新型コロナウイルスの新規感染者数の減少に伴い、政府の観光支援策「Go Toトラベル」が、近いとみられている。すでに複数の自治体では独自のキャンペーンが展開されており、今後「Go Toトラベル」が全面再開となれば、全国各地の人気観光スポットに大勢の旅行客が押し寄せることが予想される。

 

日常生活では、多くの人が感染予防の意識を高く過ごしているが、久しぶりのレジャーともなると、気の緩みから、感染対策がおろそかになることもありえる。

 

そこで本誌は寺嶋教授に、旅先での“接触感染”のリスクが高い場所を挙げてもらった。きちんと再確認しておこう。

 

■手指が触れる機会の多い箇所に要注意!

 

【公共交通機関】

「“不特定多数の人が触れる機会が多い場所”に注意するのが原則です。公共交通機関では、座席の『ひじかけ』や『テーブル』。『リクライニングシート』を動かすレバーやボタンにも気をつけましょう。飛行機には、座席の上部に荷物を入れる『共用収納棚』がありますが、ここを開け閉めする際にも取っ手を触ります。触れた後は指先をアルコール消毒したいです」(寺嶋教授・以下同)

 

【温泉の脱衣所】

「ホテルや温泉旅館などは、感染対策が徹底されていると思いますが、複数の宿泊客が手を触れる可能性がある、大浴場の『脱衣カゴ』などには気をつけるべきです」

 

部屋ではテレビやエアコンの「リモコン」も、気になる人はウエットティッシュで拭いて使おう。

 

【神社仏閣】

境内にある「鈴緒」は、綱だけのものもあるが、握る部分が木製のタイプも。さらに「記念スタンプ」など、多くの人が手にするものを触った後は、こまめに消毒することを心がける。

 

【遊園地】

乗り物は、入れ代わり立ち代わり人が乗車しているので注意が必要だ。とくに絶叫系コースターの「安全バー」などは、手で握りしめるうえ、絶叫で飛沫が付着している可能性もある。

 

【公衆トイレ】

観光スポットなどにある「公衆トイレ」も、やはり不特定多数の人が利用する場所。「ドアノブ」「蛇口」「レバー」「洋式トイレのふた」は、いずれも利用するたびに手が触れる箇所。

 

「公衆トイレは不特定多数の人が利用します。手が触れる場所以外でも、洋式トイレで水を流す際、エアロゾル(空気中を漂う微細な粒子)が舞うといわれているので、ふたを閉めて流したほうがいいでしょう」

 

【おみやげコーナー】

スーパーやコンビニなどと同様、おみやげコーナーで陳列されているお菓子やご当地グッズなどは、多くの人が“一度手に取ってから棚に戻す”ことをしているので気をつけたい。

 

■消毒アイテムの持参を忘れないように

 

そして、観光客が集まる場所では“飛沫感染”にも気をつけたい。

 

「できるだけ周囲との距離を取ることを心がけてください。お寺や神社など、室内を見学する場合は、換気などの感染対策がなされているか確認しましょう」

 

寺嶋教授は、旅先でも気を緩めず感染リスクを常に意識しておくことが重要だと話す。

 

「マスク着用、手洗い、アルコール消毒、そして換気は予防策の基本です。マスクは不織布製が望ましい。携帯用の消毒液や、スマホを拭いたりするときに便利なアルコールを含んだウエットティッシュも持参することをお勧めします」

 

気分が高まる久々の遠出、感染対策の心がけもお忘れなく!

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