安倍晋三元首相(享年67)を銃撃し、殺害した山上徹也容疑者(41)。山上容疑者のものとされるTwitterアカウントが発見され、17日ごろからネットやメディアで話題に。
各メディアによると、同アカウントは安倍政権を批判する投稿に対し《安倍政権の功を認識できないのは致命的な歪み》《安倍憎しの最初にありきが見え見えの愚論》と擁護ツイート。中には《ネトウヨとお前らが嘲る中にオレがいることを後悔するといい》という投稿もあったという。
しかしSNSでは、事件当初からいわゆる“アベガー”が事件を起こしたのだとする声が相次いでいた。アベガーとは、安倍元首相に対して否定的な人を揶揄するネットスラングだ。
そして、著名人のなかにも「アベガーが犯行に及んだ」と主張する人たちがいた。例えば安倍元首相が亡くなった8日、実業家の堀江貴文氏(49)はTwitterにこう投稿している。
《反省すべきはネット上に無数にいたアベカー達だよな。そいつらに犯人は洗脳されてたようなもんだ》
さらに9日、フジテレビの上席解説委員である平井文夫氏は『FNNプライムオンライン』に「安倍晋三さんを死なせたのは誰だ」というタイトルのコラムを掲載。
そこで平井氏は「(安倍元首相に対して)特定のマスコミや有識者といわれる人々が、テロ教唆と言われても仕方ないような言動、報道を繰り返し、暗殺されても仕方ないという空気をつくりだしたことが事件を引き起こした」とする文章を読んだといい、《僕の胸につかえていたのはこれだった》とコメントし、こう続けている。
《「闘う政治家」だった安倍氏に対しては攻撃もまた激しかったが、中には「許さない」とか「死ね」とか明らかに常軌を逸したものもあった。そしてそうした言動に対して私たちは「ダメだ」とはっきり言ってこなかったのではないか》
また12日、橋下徹氏(53)は『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(TBS系)で「政治家に対しての批判ってね、政策の批判とか疑惑の批判っていうのは厳しくやればいいと思うんです。ただ度を超えた『死ね』とか『死んでいい』とか。それはね、いくら表現の自由でも政治家に対しては違うと思います」と発言。
そして、「安倍さんに対しての強烈な『死んでもいい』ぐらいの、そういうものがもし、犯人の犯意に影響してたっていうんだったら本当に悔やまれるし、成熟した民主国家では絶対あってはならないことだと思います」と述べていた。
いわゆる“アベガー”の存在や発言が山上容疑者の凶行に影響を与えているかのような発言をしたホリエモンや橋下徹氏ら。しかし、山上容疑者は当初から取り調べに対して「政治信条に対する恨みではない」と供述。そして、今回Twitterで安倍元首相を擁護するような投稿もしていたことが判明した。そのため、ネットではこんな声が上がっている。
《左派やアベガーのせいで銃撃事件が起きた云々は全く見当違いだったと勇み足だった人たちは認めるべきでは》
《今回の凶行がアベガーのせいであると主張していたホリエモン他の主張は完全に事実無根の言いがかり。アカウントが当人のものであれば》
《「安倍さんが殺されたのは、安倍批判しまくった野党やメディア、ネットにはびこるアベガーのせいだ!」みたいなこと言ってたの、謝罪してくんねえかな。動機全然違ったぞ》
《なんのために無根拠な主張をしてたのか》