「みかんの皮やすじなどには多くの体によい栄養が詰まっています。塩みかんは果実を丸ごと使って作るので、みかんのいいところをすべて摂取できる調味料なんです」
こう話すのは栄養士で食のアドバイザーでもある成田和子さんだ。
そもそもみかんの皮はその薬効の高さから漢方では“陳皮”として重宝されている。鮮やかなあのオレンジ色は豊富に含まれるポリフェノールによるもの。抗酸化作用が高く、体の老化を防ぎ、美容面だけでなく動脈硬化や高血圧など、生活習慣病全般の予防や改善に有効なフルーツだ。
「みかんに含まれる栄養成分・ヘスペリジン(ストレス軽減、血流改善)、β-クリプトキサンチン(インスリン抵抗性、肝機能障害、動脈硬化などに効果的)、ナリンギン(かんきつ類の苦みのもとで高血圧に効果的)は注目の成分です。これらは、皮やすじ、袋に多く、特にスーパーによく並ぶ温州みかんには豊富に含まれています」(成田さん・以下同)
また、認知症予防にもとても効果があるという。
「みかんの皮には認知症予防に大切な成分の1つであるフラボノイドの一種『ノビレチン』が含まれています。ノビレチンは、認知機能の低下を抑える働きがあります。さらに、抗酸化作用、抗糖化作用の老化抑制の働きや抗炎症作用などがあり、これらも認知症に対して有効だと確認されています」
■皮やすじを捨てるのはもったいない
ではここで塩みかんの作り方をご紹介。
【材料】
みかん3個程度(200グラム)、塩2グラム(小さじ1/3)
【作り方】
〈1〉みかんをお湯にさっとくぐらせたあと、しっかりと水洗いする。キッチンペーパーなどで水分を完全に拭き取ってから、ヘタを取る。
〈2〉〈1〉をみじん切りにして、塩を混ぜる。フードプロセッサーで粉砕してもよい(塩も同時に入れてOK)。
〈3〉〈2〉を清潔な耐熱性の瓶に移して、ふたはせずに600Wの電子レンジで30秒加熱。500Wなら40秒。
〈4〉瓶の上からラップを中身に密着させてかけ、押し込んで、空気を抜く。
〈5〉ラップをかけたままふたをして、常温で12時間おいたらできあがり。
〈6〉冷蔵庫に入れて保存し、1~2週間で食べきる。冷凍なら1年持つ。
塩みかんは、塩を入れることで熟成されて日持ちがよくなり、栄養価も高まる。
「1日小さじ2杯ほどをそのままスプーンにのせて食べてもいいし、サラダや冷ややっこ、デザートにのせるのもおすすめ。肉や魚のソースとして活用してもおいしい」
あなたもこの冬は塩みかんを常備して健康的な毎日を!
【PROFILE】
成田和子
栄養士。健康と食育に関わる情報を発信し、メディアで活躍。著書多数