兜をかぶった仲間を撮影するポーズをとった大谷(写真:日刊スポーツ/アフロ) 画像を見る

5月25日(日本時間)の対レッドソックス戦に勝利したエンゼルス。先発のタイラー・アンダーソンが勝利投手の権利を得て、ベンチに戻ってくると、大谷翔平選手(28)は率先してハイタッチしていた。

 

彼は常にチームメートに声援を送り、鼓舞し続けている。その姿勢についてメジャーリーグ評論家の福島良一さんはこう語る。

 

「これまでメジャーリーグに挑戦してきた日本人は言葉の壁があり、消極的になってしまう選手も多かったのです。しかし大谷選手は、一時期のイチロー選手や川嵜宗則選手のように、仲間のテンションを高めるようにしています。

 

チームメートの肩をたたく、胸をたたく、背中を押す、拍手やグータッチで迎える……といったことですが、1人だけで勝てる競技ではない以上、仲間を鼓舞する才能はスター選手の資質として必要なものといえます」

 

大谷の盛り上げテクはボディランゲージや大きな声を出すばかりではない。

 

「3月のWBC決勝戦前に、仲間たちへ『僕らは(米国チームを)超えるために、トップになるために来たので、今日1日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう』と声をかけました。この言葉は米国紙でも《冷静ながら気迫のこもったスピーチ》として称賛されたのです」(スポーツ紙記者)

 

前出の福島さんが続ける。

 

「メジャーリーグのスカウトたちによれば、将来伸びる選手というのは、その親を見ればわかるのだそうです。ヌートバー選手がわかりやすい例ですが、両親の教育は、野球選手として成長していくうえでも大事なのです。大谷選手の協調性の高さもやはり、両親の教えや性格が影響していると思われます」

 

実は母・加代子さんも“盛り上げ上手”だった。加代子さんのインタビューによれば、高校卒業後に三菱重工横浜に就職した彼女は、バドミントンを続けながら、チアガールとしても活動。その応援対象が、のちに結婚する徹さんが所属する野球チームなどだった。

 

加代子さんの横浜立野高校時代の同級生は次のように証言する。

 

「加代子さんの息子さんが大谷選手だと知ったのは10年ぐらい前のことです。うちの高校は共学校ですが、女子は理系が少なかったもので、3年生のときに女子だけのクラスができ、私も彼女も在籍していました。もの静かでしたが行動力のある女性だったので、クラスメートたちからも信頼されていて、まとめ役として何かの委員も務めていました。

 

体育祭のときは、クラスの応援団にもなっていました。男子役が必要だったのか、彼女が男子の制服を着て、張り切ってクラスメートたちを応援していたのが印象的でしたね。クラスでいちばんの長身でしたから、学ランもとても似合っていました」

 

応援の才能も実母譲りだった大谷。投げて、打って、励まして……、“三刀流”の活躍を今後も見せてくれることだろう。

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