「国益なくして、私は人権もないと思っております。人権だけ、優先してもですね」
5月30日、参議院法務委員会でこう語ったのは日本維新の会の鈴木宗男議員(75)。
この日、同委員会では難民等の保護に関する法律案や出入国管理及び難民認定法について質疑を行っていた。そこで鈴木議員と同じく日本維新の会の清水貴之議員(48)が入管から仮放免措置を受けた外国人が1400人ほどの行き先がわからなくなっているという件に触れ、「仮放免の許可の審査がちゃんとできていたのか」などと疑問視。
その後、清水議員に次いで質疑の場に立った鈴木議員は「1400人もの逃亡者がいる。その行方がわからない」「私は国の基本は安全保障、外交、教育、治安だと思っています。これは治安に関して極めてですね、由々しき事態だと、こう思っているんですね」と発言。
さらに「1400人が逃亡している、行方がわからない。この現実をどう受け止めるのか」と投げかけると、政府の入管法改案に対案を提出している立憲民主党の石橋通宏議員(57)が「1400人の方々はいかなる背景事情や理由で逃亡しているのか、逃亡せざるを得なかったのか。本質的な制度の現状の問題というのをしっかり深掘りするべきだ」と応酬。
そんななか鈴木議員は「国に帰ったら迫害を受ける。そういう国の状況なんかも勘案して、入管は難民申請者に対しては、私は公平に公正に対応しているという認識もしていれば、それが事実ではないかと思っています」と言い、齋藤健法務大臣(63)に案を出した理由を改めて問うことに。
そして齋藤大臣の答弁を引き受けた形で、鈴木議員は「トータルで考えてですね、何を持って国益かという観点が一番だと思います」と言い、続けて冒頭のように“国益なくして人権なし”と話したのだった。