※こちらはイメージです 画像を見る

11月2日、北海道福島町の大千軒岳でクマ1頭の死骸が見つかったことが報じられた。大千軒岳では、10月31日に登山をしていた消防署員3人がクマに襲われており、そのうちの1人が仲間を救おうと応戦し、ナイフでクマの目元と喉元を狙って刺したという。見つかった死骸は、男性3人を襲った個体とみられている。

 

さらにこのクマの死骸から数十メートル離れた場所で、男性1人の遺体が見つかったことも報じられた。大千軒岳では、20代男性が10月29日から行方不明となっていた。遺体は損傷が激しく、土や枯れ草がかけられていたことから死亡したヒグマによる襲撃とみられている。

 

福島町があるのは北海道の南端に位置する渡島半島。津軽海峡に面した本州の目と鼻の先のこの地域で、ここ数年ヒグマによる事故が連続で起こっている。

 

’22年7月15日には福島町に隣接する渡島管内松前町で、自宅のすぐそばにある家庭菜園で農作業をしていた高齢夫婦がヒグマに頭部や腕をかじられ、重傷を負った。松前町はこの事件を受けて、今年からクマの侵入を防ぐ家庭菜園用電気柵の購入費用を助成する事業を始めている。

 

さらに、’21年7月には福島町で、高齢の女性が畑作業中に別のヒグマに襲われて死亡した。

 

「遺体には上半身がなく、損傷が激しかったことから、当初は性別がわからない状態でした。全身に引っかかれたような傷があったといい、後に死因は外傷性ショックだったことが判明しています。現場となった山林は民家のすぐそばにあったことは、多くの住民にショックを与えました。この事件と、’22年に夫婦を襲ったヒグマは別の個体であることがわかっています。

 

北海道内では、’90年に冬眠明けのクマを狙う春グマ駆除が個体数減少の懸念などから廃止されました。渡島半島には、’90年には1100頭ほどのヒグマがいるとされていましたが、駆除廃止の影響もあってか、2020年時点では1,840頭に増加しています。

 

昨今のヒグマによる被害の拡大は個体数の増加も関係しているといわれており、道では今年からヒグマの冬眠期と重なる2月~5月下旬の期間に、地域や捕獲数の制限を設けたうえで冬眠中の個体や親子の狩猟を許可しました。ただし、人を襲っていないクマを捕獲することに対しては反発も寄せられています」(全国紙記者)

 

ヒグマの活動範囲が拡大する今、共存するためのより良い方法が模索されている――。

出典元:

WEB女性自身

【関連画像】

関連カテゴリー: