《「平和」は、人任せにするのではなく、一人ひとりの思いや責任ある行動で築きあげていくものだから》
愛子さまが学習院女子中等科の卒業文集に寄せられた作文の一節。2016年5月、修学旅行で初めて訪れた広島市の原爆ドームをご覧になった際に、平和を希求するご意志が芽生えたことを綴られているものだ――。
宮内庁は1月22日、愛子さまが学習院大学を卒業後、4月1日から日本赤十字社(以下・日赤)に嘱託職員として就職されることが内定したと発表した。
「宮内庁内部でも、愛子さまの進路は“大学院進学”“英国留学”とみる向きがほとんどで、発表に驚いた職員は少なくありません。天皇陛下と雅子さまは、愛子さまから“日赤に就職したい”というご希望を聞き、全面的に賛同されたそうです。ご一家の意向を受け、侍従職がひそかに日赤の上層部と調整を進めていたのです」(宮内庁関係者)
愛子さまが春から勤務される日赤は、どういった活動を行っているのか。皇室ジャーナリストの久能靖さんはこう解説する。
「日本赤十字社の活動は多岐にわたっています。代表的なものとしては、日本全国にある病院や高齢者福祉施設の運営、献血事業などがあります。さらには、世界中の災害や紛争、病気などに苦しむ人々を救うため、緊急時の救援や復興支援、予防活動に取り組んでいます。
成年された際の記者会見では災害支援にあたるボランティアへのご関心を述べられていました。困っている人を助けたいというお気持ちを、愛子さまは人一倍強くお持ちだからこそ、日赤へのご就職につながったように感じています」
元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんは、愛子さまのご決断についてこう語る。
「大学院進学や留学であれば、公務よりも学業が優先される生活になります。しかし愛子内親王殿下は、ご自身の学業よりも“人々や社会のために尽くす”という道を選択されたということでしょう。
さらにいえば、日本赤十字社は常設の団体としては唯一、歴代の皇后が名誉総裁に就くことになっています。国民に寄り添い、苦楽をともにする皇室の姿勢と、いのちと健康、尊厳を守ることを使命としている日本赤十字社の活動との親和性は非常に高いと言えます」