《母親としての顔、大根の葉の調理、鉛筆の節約、電気の節約。私は、これらを「当たり前」のことと感じます》
《そんなに短くなるまで鉛筆使わなくて良いから家の改修を安く上げて欲しかった》
配信された記事のコメント欄には、冷めた意見が並んでいた。 皇室担当記者はこう語る。
「3月16日に秋篠宮家の生活をテーマにしたWEB記事が配信されたのです。記事によれば、紀子さまは家庭菜園で育てた大根の葉を油で炒めて、悠仁さまのお弁当に詰められることもあるそうです。
また秋篠宮さまが、キャップを装着することで、鉛筆が2~3センチほどの短さになるまで使用されているというエピソードも紹介されていました。秋篠宮ご一家が、皆さまでご倹約に励んでいるという、まさに“美談”でした。
しかし2千を超えたコメントの大部分は、秋篠宮家に対して好意的なものとはいえませんでした。“何十億円もかけて宮邸を改修しているのに、数十円単位の細かい節約をされても心に響かない”という内容が多いようです」
昨年4月1日に、宮内庁に広報室が新設されてから約1年。いまも一部の国民からの秋篠宮家への批判は続いている。
「広報室に、もっとも期待を寄せられていたのは秋篠宮ご夫妻だと言われています。眞子さんの結婚騒動以降、秋篠宮家に対して多くの批判が国民から巻き起こり、心ない中傷まで多く広まりました。ご夫妻は“どう対応すれば中傷や批判が減るのか”と苦悩されてきたのです」(宮内庁関係者)
秋篠宮さまが記者会見で、皇室報道のあり方について度々言及されていたこともあり、新設された広報室は“秋篠宮さま肝いり”などとも報じられた。
「英国のウィリアム皇太子夫妻らは、インスタグラムやYouTubeに公務や家族の様子を投稿するなど、SNSを積極的に活用しています。
宮内庁も4月からインスタグラムを使った情報発信を始めます。当面は天皇皇后両陛下のご活動の様子などを写真で紹介することを想定しているとのことですが、多くの国民が望む、天皇ご一家の日常的なご様子を伝える発信などが実現できるのかにも、注目が集まっています」(前出・皇室担当記者)
英国王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんによれば、
「3月22日にキャサリン妃がSNSに動画を投稿し、自身ががんと診断されたことを明らかにして、英国民が衝撃を受けています。1月に腹部手術を受けた後、病理検査で、がんであることがわかったそうです。キャサリン妃の体調については、さまざまな臆測が流れていましたが、3人の子供たちに大丈夫であることを説明するために、病名の公表までに時間が必要だったと説明しています。
これまで病名を非公表にしていたことを批判したり、誤った臆測を述べたりしていた人たちは次々に謝罪コメントを出しています」
はからずも現状での日英の情報発信力の差が浮き彫りになった形だが、前出の宮内庁関係者は、
「宮内庁ホームページ(HP)に『最近のご活動等』というコーナーが設けられ、天皇家や秋篠宮家のご公務の写真が掲載されるようになりました。また2月からは皇居の見どころなどを紹介する『皇居イラストマップ』を掲載しています。しかしそもそも、HPを頻繁にチェックしている国民はそれほど多くはないでしょうし、秋篠宮ご夫妻が期待されていた、“皇嗣家のイメージ回復”にはつながっていないのが現状です。
秋篠宮ご夫妻も“人気回復を実現できない宮内庁”に強い不満を抱かれていると聞いています」
悠仁さまの大学ご進学まであと1年、紀子さまも焦慮を募らせておられるようだ。
「3月7日に開催された式典に紀子さまは和装で臨席されたのですが、式典が始まる前に、同行していた職員が取材陣のところへ『今日、妃殿下は加賀友禅の着物をお召しになっています』と伝えに来たのです。
紀子さまが能登の被災地に心を寄せられているのは間違いないでしょうが、“広報室に頼らず自ら動かなければ”という紀子さまの焦りも見え隠れします」(前出・宮内庁関係者)
元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんはこう話す。
「広報室は“正しい情報”や“タイムリーな情報”などの発信を目指しているのでしょうが、いくら予算や人員を増やしても実現するのは難しいでしょう。
タイムリーな情報に関しては特に難しい。というのは、HPなどで公表する際には事前に関係する天皇・皇族や部局の了解が必要となるからです。秋篠宮家に関する情報発信であれば、国民が求めている情報だろうと広報室が判断しても、皇嗣職の了解が必要になります」
静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんは、国民が求める情報と、秋篠宮ご夫妻が発信されたい情報の乖離について指摘する。
「倹約ぶりや悠仁さまの論文執筆といった“都合のよい情報”を喧伝し、なぜ宮邸改修費が高額になったのかといった“都合の悪い情報”は隠してしまうという情報戦略は、国民にとっては不誠実な印象が伝わるだけで、信頼や崇敬の念は生まれないと思います。
知らしめたい情報ばかりを発信するイメージアップ戦略では、秋篠宮家の人気回復はなしえません。もっと国民に胸襟を開いて、秋篠宮家の全体像やありのままの問題や苦悩を周知し、かつそれに対する国民の是非の声を受け止める度量こそが必要だと思います」
悠仁さまの大学ご進学を、すべての国民が心の底からお祝いできる日は訪れるのか。