3月26日、伊勢神宮参拝のため、新幹線で三重県を訪れられた愛子さま。真珠の産地であることを意識されてか、お首には美しいパールのネックレスが輝いていた。
学習院大学で卒業式に出席されてから1週間たったが、愛子さまの卒業論文を指導した同大学文学部日本語日本文学科の中野貴文教授は、愛子さまの学生生活について、本誌にこう語っていた。
「私が担当した学生のなかでも、もっとも多く面談を重ねた学生の1人でした。当初は私も緊張気味でしたが、ある日の面談で宮さまが、『私、返事が遅いのですよね。私の返事が遅いって、先生方みんな思っているのかな』と、おっしゃったのです。
その場を和ませようと配慮されてのことで、私も思わず笑ってしまったのですが、このことをきっかけに距離が縮まったことを覚えています。宮さまは常に配慮とユーモアのある方です」
学習院大学では学生が毎回の授業後に出席確認を兼ねて感想を提出するケースがあるという。
「私の授業であれば、2日後の日付が変わるまで(23時59分)オンラインで提出することになっていました。私たちの立場からすれば、授業内容が学生にきちんと伝わっているのか知るすべともなります。
宮さまは回答期限ギリギリまで考え抜いて書かれることがありました。短い感想で終わる学生もいるなか、特に優れた学生は、こちらが想定していなかったことにまで思いを寄せた感想を書いてくれることもあります。よく勉強を頑張っていることが伝わってきて授業者冥利に尽きるのですが、宮さまのご感想もそうでした。
最後まで自分の言葉で、多くのことに視野に入れながら、配慮した文章を書こうとするその真摯な姿勢が印象的でした」(前出・中野教授)
“最後まで自分の言葉で、多くのことに視野に入れながら、配慮した文章を書こうとするその真摯な姿勢”、それは天皇陛下や雅子さまから受け継がれたものだろうか。
皇室担当記者は次のように語る。
「例年、12月9日のお誕生日に、『皇后陛下お誕生日に際してのご感想』が発表されます。これは雅子さまが1年を振り返ってのご感想や、いまのお気持ちをつづられたものです」
昨年の60歳のお誕生日に発表されたご感想は、次のようなお言葉から始まっている。
《ちょうど10年前の今日、50歳の誕生日を迎えるに当たり、それまで半世紀を生きてきたことを思い、「不思議な感慨に包まれます」と感想を綴つづりましてから、いつの間にか10年の月日が経たちました。光陰矢の如ごとしと申しますが、この10年はあっという間に過ぎたようでもありながら、以前には予期していなかったような様々な出来事や社会の変化のあった10年でもあったように感じます》
このお誕生日文書発表に際しては、雅子さまは入念に推敲を重ねていらっしゃるという。
「昨年の文書は、ご成婚30年やインドネシアご訪問など内容も多岐にわたり、文章量もA4サイズ4枚に及ぶほどでした。
宮内記者会にはお誕生日前日の午前中に文書を配布すると当初説明されていましたが、実際に配布されたのは午後2時ごろだったそうです。
以前から雅子さまは、率直なお気持ちを丁寧かつ正確な表現でまとめようと、推敲を重ねられるので、予定時間を超えてしまうこともしばしばあるそうです」(前出・皇室担当記者)
愛子さまの文章に対する真摯な姿勢は、お母さまの背中をご覧になって培われたものに違いない。