海産物だけでなく、サラブレッドの生産地として有名な北海道の日高地方。だが、日高東部に位置する浦河郡浦河町にある競走馬育成牧場「株式会社ALPHA TRAINING BASE」が、Xの運用をめぐって“侮辱行為”と物議を醸している。
問題視されたのは、10月9日午前に投稿されたポスト(現在は削除済み)。同牧場のX公式アカウントは、失職中の男性が母親を伴って職場見学に訪れたことを記していた。しかし、《これまで高校生や未成年の方が親御さんと一緒に来た事はありましたが、36歳のオッサンが……》と、絵文字付きで揶揄するような表現が。
さらに、男性が母親のことを「お母さん」とこの従業員に伝えたことから、《私、内心ドン引きしていましたが、その素振りを全力で隠して業務内容等の説明をしながら案内を進めました》とも苦言。文章の後半では見学後の親子のやりとりも明かした上で、《私的にはなかなか強烈な親子でした どうぞ元気に暮らしてください》と、見下すようなトーンで感想が綴られていた。
このポストは瞬く間に拡散され、同牧場に非難の声や企業としてのあり方を問う声が殺到する事態に。
《コンプライアンスどうなってるの? 信用無くしちゃうよ》
《会社のレベルとしては最低だよな 個人の情報晒して楽しいの?》
《他人を見下して晒す。個人でも最低なのに企業アカで発信するなんて更にドン引きです》
《本人が見たら悲しいだろうなあ》
相次ぐ批判を受けて、同牧場は問題視されたポストを削除し、9日午後に《不適切な投稿 大変失礼致しました》と陳謝。しかしわずか15文字の謝罪文では、騒動は収まらなかったようだ。同牧場は10日夕方にXを更新し、《この度の弊社の投稿につきまして》と切り出し、代表取締役の名前を添えて改めてこう謝罪したのだった。
《閲覧者の皆様には大変不快な思いをさせてしまい、そして何よりも弊社に足を運んで頂いた求職者の方に対して、その方の人格および内面を傷付けかねない稚拙な投稿をしてしまい、誠に申し訳御座いませんでした。
皆様のご指摘の通り、企業アカウントにおいて発信すべき内容の事では到底なく、またコンプライアンスやプライバシー保護の観点からも甚だ常軌を逸脱した軽率な内容の投稿でありました。
心より反省し、深くお詫び申し上げます。今後は一企業としてこのような事を二度と起こさぬよう全力で努めてまいります事をお誓い申し上げます。重ね重ね、誠に申し訳御座いませんでした》
拡散力が高いXは企業の魅力を迅速に伝えられるメリットもあるが、不適切な投稿は炎上を招きかねない。個人、企業に問わず、SNSの運用は慎重さが求められるだろう。