増加の一途をたどるサイバー犯罪の被害。11月21日、自民党の「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」が開いた新会合で、調査会長を務める高市早苗氏(63)は、全国で被害が拡大する“闇バイト”の募集に秘匿性の高い通信アプリが使用されている問題について、対策を強化する姿勢を強調した。
捜査体制の強化が急務とされるなか、11月25日に警視庁がサイバー犯罪捜査を担当する2年間(令和7年4月1日~令和9年3月31日)の「任期付職員」の募集を開始したのだが、その“待遇面”が話題を呼んでいる。
警視庁が開設した採用ページによると、募集職種・階級は「サイバー犯罪捜査官警部」。民間企業や官公庁といった組織で、サイバーセキュリティ対策などの部門で実務経験がある人材が募集対象となり、4年制大学・大学院卒の場合は10年以上、高校卒業の場合は14年以上の経験年数が必要だ。
さらに、チームリーダーとして3人以上を統括した経験があり、情報処理関連の国家資格を保有していることも必須条件だという。
かなりハードルが高いが、それ故に待遇面はさぞよいのかと思いきや……。給与例を見ると、4年制大学を卒業、正社員・常勤職員として警視庁の職務と同様の職に従事していた場合、経験年数10年で予想される初任給は「約37万4000円」と記載されている。
そのほか、在職期間や勤務成績に応じた手当が支給されるとしているため、正確なモデルケースを把握することはできないが、募集職種には任期があり、応募時に最低でも10年以上という経験年数が必要なため、ネット上では給与が「低い」といった指摘が多く上がった。
《やっすこれ誰が行くんや》
《なんで新卒みたいな給料で経験10年の人を任期付で雇えると思ってるのか不思議だけど、意外と働きたい人いるのかな》
《経験10年なのに初任給37.5は低くない?欲しいと思ってる人材って45-60くらいもらってそうだけど》
《二年でクビになるのにこの待遇で転職するやついるの?》
警視庁にとって任期付き職員の募集は今回が初めてだが、はたして応募する“メリット”はあるのか。全国紙社会部記者は話す。
「例えば大卒で、10年間民間企業で勤務し、32歳で今回の募集職種に内定した場合、2年の任期付きとはいえ、一般的なノンキャリア警官より比較的早く警部になることができます。また、公的組織での職務経験を経て、民間とは違ったスキルが得られるかもしれません。そのほかにも手当や有給休暇、育児休暇等も用意されており、企業に籍を置いたまま従事できる制度もあるようなので、案外志望する人もいるのかもしれませんが……」