「通夜にも告別式にも長男の姿はありませんでした。“自宅で最後のお別れをする”ことを父親である辻(仁成)さんも望んでいたようなのです」(中山さんの知人)
12月12日、中山美穂さん(享年54)の葬儀・告別式が都内の斎場で営まれた。実妹の中山忍(51)が喪主を務め、家族と事務所関係者ら約30人が参列したという。同日、中山さんの所属事務所は葬儀の様子をこう綴った。
《本日、青空が広がる清々しい天候の中、中山美穂の火葬を無事に終えました。葬儀は家族と事務所関係者のみで執り行われました。祭壇には、優しいピンクや清らかな白、明るい黄色の花々に加え、深紅のダリアがひときわ印象的に飾られ、美穂さんの情熱的で華やかな一面を思い起こさせるようでした。会場全体が色鮮やかな花々に包まれ、生前の作品や思い出の写真とともに、彼女の功績を皆で称える時間となりました。穏やかな雰囲気の中、故人を見送ることができましたのも、報道関係者の皆さまやファンの皆さまがご配慮くださり、静かに見守っていただいたおかげです。心より感謝申し上げます》
忍もこうコメントしていた。
《お別れまでのほんの数日間ではありましたが、子供の頃に戻って枕を並べ、姉の横顔を見つめながら眠りについたこの穏やかなひとときは、私の宝物となりました。そして、何より姉が幸せを願ってやまない愛する息子と、再会の時間をもたせてあげることができました。手を繋ぎ、そっと寄り添う2人の姿は、とてもとても幸せなものでした》
中山さんは作家・辻仁成(65)と02年に結婚して、パリへ移住。04年に長男が誕生した。当時のインタビューでは《私にとって今一番大事なのは子供。だから日常こそ大切にしたい》(『LEE』’12年4月号)と語るなど、長男を溺愛していた。
だが、14年に離婚。親権は辻が持ち、中山さんは離婚後、約10年間、長男と会っていなかったという。前出の知人が続ける。
「彼女からは“親権を譲ることが離婚を承諾してもらう条件だった”と聞いています。しばらくして彼女に会ったとき、『子供に会いたいけれど、もう会えないんだ……』と悲しそうな表情をしていたことを覚えています」
辻はパリで長男を育て上げ、20歳を迎えた。そんななか、中山さんが急逝――。訃報を聞いた長男がパリから駆け付け、中山さんと最後の時を過ごしたというのだ。
「実は長男が中山さんと日本で再会するにあたって、辻さんは長男のことを誰よりも心配したそうです。彼は日本のメディアが連日、中山さんの訃報を伝えていたことも知っていたために、一般人である長男を日本のメディアからできる限り守るべく、葬儀への参列ではなく、中山さんの自宅での対面を望んだともいいます。そして、取材陣に気づかれてしまうことも懸念していたようです。そのため、長男はすぐさま離日したと聞いています」(前出の知人)
忍は最後、こうコメントしている。
《良いときも悪いときも別れ際に姉はいつも「じゃあ、忍、あとはよろしくね」と軽やかに笑って去っていきました。最後の最後まで、、、。とても「姉らしい」と思われてなりません。 生前の姉へ、あたたかな眼差しと、愛情をかけてくださり、心から感謝しております。重ねて御礼申し上げます。皆さま、本当にありがとうございました。感謝の気持ちを込めて》
生前、長男との対面を望んでいたという中山さん。これからは天国から彼をずっと見守っていくはずだ。