80年3月、友和との婚約発表で肩を寄せ合う百恵さん 画像を見る

’80年3月7日に、三浦友和(73)と百恵さん(66)が、伝説ともなった婚約会見を開いてから今年で45年。

 

友和は’74年にグリコのCMで百恵さんと出会い、同年の映画『伊豆の踊子』で共演。以来、百恵さんと共演した複数の作品でヒットを飛ばし続け、「ゴールデンコンビ」として一世を風靡していた。

 

友和と百恵さん双方ときょうだい役で共演経験があり、親交も深かった俳優の水野哲(60)は、百恵さんとの共演経験についてこう明かす。

 

「僕は百恵ちゃんとは’77年に『美しい橋』というTBSの日曜劇場のドラマで一緒になりました。百恵ちゃんの弟役だったので、彼女からは“てっちゃん”と呼ばれていました。

 

初めにお会いしたとき、百恵ちゃんは18歳ぐらいでしたが、すごく落ち着いていて、大人びた印象を受けました。誰もがスターになろうと自分のことで必死になっていた時代なのに、共演者の役柄を一人一人覚えたうえで挨拶に回るなど、現場でいつも謙虚だったのが印象的でしたね。

 

しかもあれほど忙しかったはずなのに、セリフを忘れるとかは絶対になかった。どんなに多忙でも仕事の合間に台本をしっかり読み込んで撮影に来ていました」

 

’75年の映画『潮騒』では友和と裸で抱き合うシーンを、同年の映画『絶唱』では初めてのキスシーンを披露しており、二人の関係が噂され始めていた。ベストセラーとなった自著『蒼い時』(集英社、’80年)で、百恵さんはこの時期に友和に強く引かれるようになっていったと明かしている。

 

《晴海埠頭のロケーションがあった時だった。彼の胸に顔を埋めるシーンで、厚手のセーターを通して、私の耳に響いてくる彼の鼓動を聞きながら、「この鼓動を特別の意識を持って聞くことのできる女性に……私がなれたら」と思った。それは、まぎれもない、恋の実感だった》

 

そのように二人が愛を育み始めた時期、ちょうど『ひまわりの道』と『美しい橋』の撮影期間が重なっていたため、水野は両現場を頻繁に行き来していたという。

 

「両作品に出ていた僕が、それぞれの現場で友和さんと百恵ちゃんにお互いの言葉や様子を伝えていたんです。そのときの反応から、中学生ながらも“この二人は付き合っているんだな”とわかりました。

 

よく覚えているのが、二人がお互いを『殿』『姫』と呼んでいたことですね。百恵ちゃんが映画ロケを控えているとき、友和さんから『姫が今度映画でロケに行くから、“体を大事にね”と伝えておいて』と頼まれたこともありました。

 

その言葉を百恵ちゃんに伝えると、瞳を輝かせてうれしそうな顔をするんです。忙しすぎてなかなかデートもできなかったみたいですが、会いたくてしょうがないんだなっていうのは感じていましたよ」

 

そのような縁もあって、二人が’80年に東京プリンスホテルで披露宴を開いた際、水野も出席した。

 

「挙式には1千800人ぐらいが訪れていました。友和さんが白いタキシードを、百恵さんも白いウエディングドレスを着て。当時、僕は高校生でしたね。そのときの引き出物は今もとってあります。

 

友和さんは当時、『三浦友和と仲間たち』というバンドをやっていました。ドラマで共演していた縁で、バンドのライブに招待されることもあったのです。ですから披露宴の後も、友和さんがバンドメンバーを引き連れていった2次会にも呼んでもらって。マスコミも全然いないプライベートな空間でした。

 

そこで友和さんから『哲! 一緒に歌うぞ!』と声をかけられて、ピンク・レディーの『渚のシンドバッド』を一緒に歌ったのを今でも鮮明に覚えています」

 

以前、友和はインタビューで「百恵さんと結婚してよかったところ」を尋ねられ、こう答えていた。

 

《結婚していなかったら、ということが想像できないということかもしれませんね。彼女と結婚していなかったら、つまんない人生だろうなと思いますよ》(『週刊文春』’14年4月3日号)

 

二人の結婚と百恵さんの引退について、水野はこう回想する。

 

「交際する前から友和さんは、まず百恵ちゃんが1番で自分は2番目だということをずっと貫いていたように思います。映画でもプライベートでもフォローする側に回っていて、それを当時からずっと続けている気がするんですよね。

 

友和さんも百恵ちゃんも芸能界に執着していないという意味でそっくりでした。他人をはねのけてでもやっていこうとは思っていなかったのでしょう。 百恵ちゃんの引退に関しても、『普通の女の子に戻れる人間でいたい』という言葉のとおり、元の世界に戻ったというだけなんだと思います。そして友和さんは彼女の決断を受け入れ、現在までお互いを支え続けているのだと思います」

 

婚約会見から45年を迎えた今も、その愛は光り輝き続けている――。

 

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