高い支持率に支えられ政策を進める高市内閣に、4人の識者が「高市さんならできるはず」と激励(写真:共同通信) 画像を見る

■参議院議員・辻元清美さん 防衛費増額、台湾有事…それでも平和を守るという理念は忘れずに

 

「世襲の男性議員がトップになることが多い自民党で、サラブレッドの小泉進次郎さんを破って女性初の総理大臣になったのは、高市さんの努力と執念の結果だと思う」

 

こう語るのは、参議院議員の辻元清美さんだ。高市首相とは長年の交流がある。

 

「同学年で、20代は『朝まで生テレビ』(テレビ朝日系)で、対極の立場で議論を戦わせてきました。野田聖子さんが結婚したときは、楽屋で『先越された!』と2人で嘆いたりね。

 

政治的キャリアも同じくらい、お互い普通の家庭の出の、たたき上げ。奈良出身と共通点も多く、長い付き合いなので、今、高市総理を見ていて疲れているのがわかる。

 

総理就任後、ばったり廊下で会ったときも『大変やわー』『しんどいわー』と言っていました」

 

先日は“午前3時出勤”が問題視されたばかりだ。

 

「勉強熱心なので、高市さんなら不思議じゃない(笑)。石破(茂)さんのときは5時、6時みたいだったが、高市さんは念には念を入れて答弁したいタイプ。

 

ただし、大事なのはその中身。ウルトラ右派なことばかりではまずいと思う」

 

高市首相の言動に触れ、辻元さんの懸念は増すようだ。

 

「靖国参拝を封印しているし、日本の植民地支配や侵略戦争を反省する村山談話を継承するということは、評価しているところです。

 

しかし一方で、物価高で苦しい状況下で1円でも民生に予算を使うべきところ、防衛費増額と打ち出したり、高額療養費の負担を増やそうとしたり。台湾有事は日本の有事(存立危機事態)とつい『持論』を口にしちゃったのは、政府のトップとしてまずかった。官僚も困っているんじゃないかな」

 

トランプ大統領が来日した際、高市首相が米軍の原子力空母に乗船し、両手をあげて跳びはねていた姿には、違和感を覚えたという。

 

「主権国家の総理の振る舞いとしては、ふさわしくなかったよね」

 

しかも高市首相は、トランプ大統領と米軍ヘリで米軍空母に乗船している。

 

「安倍(晋三)元総理もトランプ大統領と親しかったですが、自衛隊の護衛艦に招待するときは、別々のヘリで着陸しています。きっと対等であるために、考え抜いた方法なのだと思います。

 

しかし高市さんのように、駐留米軍にエスコートされるというのは“取り込まれている”という印象を与えかねません。ここは一線を引いたほうがよかった。

 

国際的に、米ロを軸としたつのブロック化が進むなか、米軍空母で防衛力強化を発信したことも、緊張をエスカレートさせかねない。

 

総理になった以上、さまざまな意見を聞き入れて、バランスをとった決断をしなくちゃ」

 

今、Xで高市首相の言動に触れたポストをすると、数百万~数千万の表示が出て驚くという。

 

「高市総理の登場で、政治に関心を持つ層が厚くなった。思想信条より、公正な視点を求める人たち。総理と早く議論したいなあ」

 

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