11月30日、60歳のお誕生日を迎えられた秋篠宮さま。これに先立ち臨まれた記者会見では、ご家族への感謝などを述べられるなかで、時折“提言”ともとれるご発言も見られた。
まずは、宮内庁の公式インスタグラムに関するご発言だ。インスタグラムでの秋篠宮家のご活動の紹介について質問された際、「フォロワー数もかなり多くて、結構なことだと思います」と答えつつ、次のような見方を示された。
「ただ一つ、私は、以前にウェブサイトとSNSの関係を惑星と衛星に例えたことがあったと思います。惑星と衛星が結び付いている。どういう状況かというと、SNS、宮内庁の場合はインスタグラムがあって、それが惑星たるウェブサイトとリンクしていて、ウェブサイトがインスタグラムのアーカイブになっている必要があると思うのですね。
ところが今、この前も試してみると、そのインスタグラムの写真からアーカイブのところに一足飛びに移動することができない状態になっています。ある一つのこういう行事に出ましたということが、インスタグラムで紹介されるわけですけれども、その本体であるウェブサイトの方に、もう少しいろいろな情報が入っているわけですので、そのあたりがリンクすると、いいのかなというふうに思ったところです」
秋篠宮さまが“惑星と衛星”と最初に例えられたのは、’22年のお誕生日に際しての記者会見でのことだ。当時は、宮内庁が皇室の広報展開にSNSを活用することを検討し始めた年であり、皇室の情報発信についてお考えを述べられていた。
「そして、今、いろいろなことを知るために調べるときというのは、多くが恐らくスマホ、スマートフォンを使って調べる時代になっています。そうするとSNSにたどり着いて、そこである情報を知って、更に詳しく知りたい人は、本体であるウェブサイトの方を見る。
何て言うか、惑星があって、惑星にたくさんの情報があって、そしてその周りにある衛星の方に、短いけれども非常に大事な情報が載っている。そういう関係性なのではないかなと思っています。私も詳しくは承知していませんけれども、そういう構図を恐らく宮内庁も考えているのではないかと思います」
今回のご発言には、秋篠宮さまの宮内庁に対するメッセージが込められているのではないかと皇室担当記者は語る。
「皇室の情報発信に関して、秋篠宮さまは’22年の時点からSNSとウェブサイトの連携を宮内庁に期待されていたことが伝わります。’24年の記者会見でも、『ウェブサイトとインスタグラムをバラバラに進めないようにすることが、大事なのかなという印象を持っています』と繰り返しお考えを示されています。
しかし、今回のご発言の通り、現在でも宮内庁の公式インスタグラムと公式ホームページはリンクがわかりやすく、かつ相補的な形式になっているとは言いがたい状態です。秋篠宮さまは3年前から構想を伝えているおつもりだったのでしょうし、具体的に形になっていない状況が続いていれば、宮内庁への“苦言”のような形のお言葉となってしまったのも無理はないのかもしれません。
ただ、皇位継承順1位、皇嗣というお立場の秋篠宮さまが記者会見という場でおっしゃられてしまうと、宮内庁も優先的に対応を取らなければならなくなってしまいます。“こうした場で述べられなくてもいいのでは”という意見も、内部から聞こえてきます」
