満員の国技館で、力士たちが真剣な表情で次々と取組に臨んでいる。1月18日、6年ぶりに実現した天覧相撲。特に昨年の九州場所で優勝し大関に昇進したばかりの安青錦に、雅子さまは熱いまなざしを送られていた。
昨年12月、62歳のお誕生日に際して公表されたご感想で、
《祖国ウクライナの戦乱を逃れて日本にやってきた高校生が、一心に稽古を重ね、日本の伝統である大相撲で大関まで昇進したことに感銘を受けました》
と言及されていた雅子さま。安青錦は関脇・霧島に寄り倒され黒星がついてしまったが、ご感想に言及されていた背景には、次のような思いがあったのではないかと、宮内庁関係者は語る。
「ノーベル賞を受賞した科学者や大谷翔平選手と同様に言及されたことに、雅子さまの特別な思いが込められているように拝察しています。そもそも天皇皇后両陛下はじめ皇族方が、固有名詞を出して論評されること自体がめずらしいのです。
ロシアによるウクライナ侵攻はまもなく4年が過ぎようとしていますが、和平が進む兆しはありません。祖国が泥沼の戦争に引きずり込まれてしまった安青錦関の悲劇、そして日本での努力と奮闘に、雅子さまは共感せずにはいられなかったのでしょう」
第二次世界大戦終結から80年が過ぎたいまも、戦争による悲劇がなくならない世界。
2026年が始まった直後の1月3日、アメリカ軍がベネズエラの首都カラカス市内を爆撃し、急襲した特殊部隊が同国のマドゥロ大統領と妻を拘束、米国国内に連行するという事件が、国際社会を震撼させた。
「米国内に麻薬を流入させる組織を率いていたなどとしてマドゥロ大統領夫妻はニューヨークに連行され、麻薬テロ共謀罪など複数の罪で起訴されました。ベネズエラは経済が長く破綻した状況が続き、約800万人が同国を離れ、たしかにマドゥロ政権による強権的な統治手法や人権弾圧も批判されてきました。
しかし米国が一国の国家元首を一方的に軍事攻撃の末に拘束したことは、明白な国際法違反かつ主権侵害だとして、世界各国がトランプ大統領をはじめ米政府の行動を非難しているのです」(外務省関係者)
トランプ大統領はさらに、ベネズエラの隣国・コロンビア、大規模な反体制デモが起きているイランへの軍事攻撃も示唆。デンマーク領で、北極圏にある世界最大の島・グリーンランドの併合もあらためて主張するなど、国際社会の常識が通用しない暴挙を続けているのだ。前出の外務省関係者も肩を落とす。
「かねてロシアや中国に対し、日米は“力による現状変更は許さない”というスタンスで臨んでいただけに、米国の武力行使を容認するわけにはいかず、日本政府も難しい立場にあります。
言うまでもなく米国は日本にとって最重要の同盟国です。令和となって初めての国賓がトランプ大統領で、昨年10月に天皇陛下と会見した際、あらためて大統領から答礼の招待がありました。本年中の訪米も検討されていましたが、政府内にも“いま訪米していただくわけにはいかない”という声が広がっています。
日米の親善をいっそう深めるという目的であったとしても、天皇陛下と雅子さまの米国ご訪問を、トランプ政権が政治的に利用する可能性もゼロではないからです」
