学歴詐称問題をめぐって、2月に地方自治法違反容疑で書類送検されていた静岡県伊東市前市長の田久保眞紀被告(56)。3月25日に有印私文書偽造・同行使の疑いで追送検され、30日には在宅起訴されるなど事態はスピーディーな展開を見せている。
田久保被告は昨年5月の伊東市長選で初当選を果たすも、翌6月に学歴詐称疑惑が浮上。市の広報紙では「東洋大学法学部卒業」と紹介されていたが、実際には除籍だったと判明した。
さらに田久保被告は、疑惑を調査する百条委員会の証人尋問で「卒業証書」とされる資料の“チラ見せ”が問題視されると、「約19.2秒ほど見ていただいた」と反論。不信任で失職するも昨年12月の市長選に再挑戦するなど、一連の言動は“田久保劇場”と波紋を呼ぶことに。
「田久保氏は公職選挙法違反や地方自治法違反など6つの容疑、8つの事件で刑事告発され、静岡県警は2月に田久保氏の自宅を家宅捜索。『卒業証書』とされる資料の提出を求めましたが、田久保氏の代理人弁護士が押収拒絶権を理由に拒否したといいます」(全国紙社会部記者)
そんななか、在宅起訴をきっかけに新たに判明したのは“卒業証書の偽造”だった。
「起訴状によれば、田久保氏は’25年5月29日頃から6月4日までの間に、東洋大の卒業者として自分の名前や大学学長の名前を記載した卒業証書と題する書面を自作。ネット通販で発注したニセの学長印と学部長印を押印するなどし、市役所で市議会正副議長や市職員に“卒業した証拠”として提示したとされています。
いっぽう田久保氏は昨年8月に、自身が除籍になったのを知ったのは昨年6月28日だと百条委員会で説明。その後も会見などで、卒業証書が“本物”であることをたびたび主張していました。
総務省が公表している資料によれば、07年度から24年度までに行われた地方自治法100条に基づく調査で告発に至った事案はあったものの、起訴されたケースは一度もありません。田久保氏は在学中、卒業に必要な132単位のうち68単位しか取得していなかったそうです。静岡地検が起訴に踏み切ったのは極めて異例で、そのスピーディーさからも田久保氏の“悪質ぶり”が問題視されているということでしょう」(前出・全国紙社会部記者)
卒業証書の偽造が事実だとすれば、これまで見せてきた“強気態度”は何だったのか――。あるWEBメディア記者は、こう振り返る。
「学歴詐称疑惑に関する対応だけでなく、市長選に再出馬した際も“まるで被害者”のようなアピールが波紋を呼んでいました。インスタグラムのサムネイル画像には《みなさんが見ている「真実」を信じて》《偏向報道に泣かされた》《組織なし 誹謗中傷あり》といったコピーが並び、涙ながらに街頭演説する動画も。
テレビにも意欲的に出演していましたね。昨年10月に議会解散に伴う市議選が行われましたが、田久保氏は投開票日の夜に『Mr.サンデー』(フジテレビ系)にリモートで出演。卒業証書について『私は本物としてずっと信じて扱ってきた』と主張するも、刑事告発されたことを理由に一貫してノーコメントを貫いていました。さらに同年末放送の『サンデー・ジャポン』(TBS系)にも出演し、疑惑に対してひたすら言葉を濁していました。
メディアに出演したら、卒業証書に関する質問が投げかけられるのは想定内のはず。実際に卒業証書を偽造していたのであれば、どのようなメンタルでテレビ出演に臨んでいたのか理解に苦しみます」
田久保被告が在宅起訴されたことを報じたネットニュースのコメント欄では、安堵する声や呆れる声などさまざまな反応が寄せられている。
《偽の印鑑まで購入していたとなると最初から偽造する気満々だったことになるな。詐欺師も真っ青レベルの稀にみる悪質さ加減で、全く呆れます》
《いよいよ田久保劇場の最終章に胸をなでおろします。最終取得単位が68単位であることが公になり、6月25日以降の数々の動画をざっと拝見して改めて恐ろしい方だと実感したというのが本音です》
《とりあえず起訴されたのは良かったです。田久保劇場は、開幕直後からシナリオが破綻していたのに、あり得ないアドリブで喜劇を続け、結果として伊東市の市政混乱と不要な二度の選挙による多額の損失を与えたのですから、相応の刑罰と損害賠償で幕引きすべきですね》
《検察もプライドがあるだろう。逆鱗に触れた形かと思う。素直に謝罪すれば済んだはず》
《すでに県警を怒らせており、当然ながら検察も怒らせていると思います》(すべて原文ママ)
“田久保劇場”によって市政は混乱し、議会解散に伴う市議選と田久保被告の失職に伴う市長選に投じられた費用は計1億円にも上るという。塗り重ねた“嘘”の代償は重くのしかかりそうだ。
