「2カ月ほど前に左足首を骨折し、現在、2本の松葉杖を使って歩いているんですが、1週間ほど前からリハビリで片手松葉杖の練習を始めたんです。左足の痛みはなくなったとはいえ、まだ圧をかける自信はないので、少し不安。
還暦を迎える直前に大きな怪我をしてしまい、大殺界と本厄に一緒に襲われた感じです」
トホホな感じで苦笑いするのは、タレントの松本明子(60)だ。
骨粗しょう症のリスクが高まる50代以上の女性にとって、骨折は人ごとではないが、誰もが“まさか私が”と思っているはず。もちろん、松本もその一人だった。
「4月2日は、お昼前に白髪染めに行こうと思っていたんです。前夜はどしゃぶりで、出かけるときも小雨が降って地面がぬれていました。とはいえ、30年住んでいる家で、転んだことなんてありませんでした。ところが玄関から一歩踏み出したところで、左足が滑って……。スニーカーで、手ぶらで、走ってもいないのに!」
左足が滑ったとき、足首が内側に入りそうになったので、本能的に“やばい”と感じたという。
「それで左足首を外側に向けると、両足開脚の状態になって、お尻でペタンと着地。すぐに左足首が激痛に襲われました。左のつま先があらぬ方向を向いていたのも大ショックで。お医者さんによると、足首より下は、脛の内側と外側の2本の骨で支えているそうなんですが、それが外れてぶらんぶらんの状態になっていたそうです」
迎えに来てくれた仕事の運転手さんが、すぐに家族に知らせた。
「旦那(俳優の本宮泰風)は、私の『痛~い、痛~い』という叫びを『ミャー、ミャー』と聞こえたようで、盛りのついた猫がいるのだと勘違いしていました(笑)」
ところが、玄関先では大惨事。本宮は松本の後ろにまわり、両脇から腕を入れてつり上げ、車の後部座席に移動させた。
「救急車を20~30分待つよりも、このまま車で病院に行ったほうがいいという判断でした。旦那は仕事があったので、運転手さんに車を出してもらい、助手席に同居している義母に乗ってもらって。私は取れちゃいそうなくらいぶらんぶらんの左足を、両手で固定していました」
病院に到着後は、ストレッチャーに乗せられて、エックス線やCTの撮影。
「病院に行って3時間後には手術してもらえることになりました。これはかなり珍しいことで、通常、翌日以降になるそうです」
起き上がれない松本はボールペンもうまく握れないため、同意書などには義母が代わりにサイン。松本は翌日に大分で生放送、翌々日には熊本で講演会を控えていたので、すぐにマネージャーに相談の電話を入れるなど、慌ただしいまま手術に入る。
「足の踵に鉄の細い棒を串刺しのように横に貫通させて、脛には太い鉄の棒を2本、縦にさしました。それらの鉄の棒を支柱に、ジャングルジムのように器具を組み立てて、左足が常に浮いた状態に固定するんですね。これを創外固定というそうです」
ほぼ寝たきりの状態で数日を過ごした。
「実は治療はこれで終わりじゃなくて、本手術が控えていました。それが還暦の誕生日の前日、4月7日。全身麻酔をかけて4時間くらいの手術では、断裂した左足首を脛の骨に固定するため、プレートを添わせてボルトを12本も埋め込みました。12本ですよ!
その晩は、痛み止めの点滴をしてもらっていましたが、ジンジン、ジンジン痛くて、一睡もできませんでした。あまりに痛すぎて“手術が失敗したんじゃないか”と疑ってしまうくらいだったんです」
本手術翌日、還暦の誕生日を家族で祝うことはできなかった。
「でも、林家ペーさんがアポなしでお見舞いに来てくださったんです。年齢にちなんで60個の豚まんを持って。
入院中は、お仕事で迷惑をかけたり、大怪我で満足に動けなくて、病室ではかなり落ち込んだんですが、お友達がたくさん応援してくれて、支えられました」
なかでも“骨折仲間”からのアドバイスには励まされたという。
昨年5月、ライブ中に転倒し、左足首剥離骨折をした森口博子からもメールが来た。
「博子ちゃんは『いろんな厄が落ちたから大丈夫。これからは健やかな毎日になる』とメッセージをくれて、大号泣。
『イッテQ!』で骨折したロッチの中岡くんも『とにかく骨折の後には、いいことがガンガン舞い込んできますから。本当にボクの言葉を信じてください』と、カルシウムをいっぱい持ってきてくれて、またまた大号泣」
45人ものお見舞い客がいたからこそ、つらいリハビリも頑張ることができたという。
「本手術が終わってから、毎日リハビリでした。まずは元気な右足の筋力が落ちているから、2本のバーにつかまってケンケンしたりしていました。松葉杖を使うための筋力をつけるため、自転車を漕ぐような器具を使って、手でペダルを回転させる運動もしました」
とくに苦労したのは、松葉杖を使って階段を上る練習だった。
「怪我をしている左足とは反対側の右手に松葉杖を持って、左手は手すりを握る。上るときは右足から上り、下るときは左足からと説明を聞くんですが、いざ動こうとすると、もう頭がごちゃごちゃになってどっちから踏み出すのかわかんなくなってしまうんです(笑)」
入院は、通常1カ月ほどと言われていたが、迅速に手術できたこともあり、3週間弱で退院。退院翌日の4月20日から、ラジオの生放送で仕事復帰を果たした。
「移動は車いすを使っていました。コンパクトに折りたためるもので、3万円ほどだったのでレンタルではなく購入しました」
自宅では、1階の部屋に布団を敷いて寝ていたが、夫の本宮から「起き上がりのときの足の負担が少ないから、ベッドのほうがいい」とアドバイスを受け、巣立った長男が使っていた、2階の部屋のベッドを利用することに。
「階段の上り下りも、1段ずつお尻をステップに運びながらでしたから、とにかく時間がかかるんです。小さい建売住宅で、バリアフリーなんて考えたこともありませんでしたが、お風呂に行くとき、トイレに行くときなどの小さな段差が乗り越えられず、ほふく前進することも」
退院後、熟年夫婦にとって思いがけないシチュエーションにも見舞われた。
「お風呂に入ろうと真っ裸になったとき、ちょうど旦那が帰ってきたんです。隠すどころか、これ幸いと『お風呂まで連れていって』と言ったら、しょうがねえなといった感じで抱えてくれたんです。さすがに、いきなり全裸で驚いたと思いますけど」
家族やスタッフの助けもあり、長距離移動は車いすを利用しながら、松葉杖をつき、なんとか仕事をこなしている。
「とにかく用事をいつも詰め込みすぎて、新幹線にも走って飛び乗るような感じで“いつか怪我をするので落ち着きましょう”と注意されていたんです。その言葉が身に染みて、慌てずに、余裕を持って行動するようになりました。
一方で、自分が人に支えられていることも実感。電車に乗ると『お先にどうぞ』と寄り添ってくれる人が多く、涙が出ます。私も車いすや松葉杖の方を見たら、同じように寄り添っていきたいですね」
8月22日には、大沢逸美、森尾由美、桑田靖子、木元ゆうこ、小林千絵ら同期が集う「83年組アイドル アラ!?還ライブ」のステージに立つ。
「そのときは、松葉杖なしでみなさんにお会いする予定です!」
画像ページ >【写真あり】入院中はベッドの背中を上げるぐらいでほぼ寝たきりという状態だった(他3枚)
