養子案を推し進めている麻生太郎自民党副総裁(写真:本誌写真部) 画像を見る

「政府としてしっかりと受け止め、早急に法案策定に取りかかり、できるだけ速やかに骨子案を示せるように取り組む」

 

6月11日、皇族数確保策に関する立法府の総意の報告を受けた高市早苗首相(65)はこのように述べた。

 

「『総意』は『女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ』、『戦後、皇籍離脱した旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎える』の2案ですが、とくに、後者の『旧宮家を養子として迎える』案は、『男系男子』にこだわる高市首相の主張を強く反映したものでした」(政治部記者)

 

高市首相は7月17日の通常国会会期末までに「総意」に基づいた皇室典範の改正を目指しているという。

 

しかし、皇室研究家で神道学者の高森明勅さんは首相を強く批判する。

 

「高市首相は、本心では皇室に関心もなければ敬意もない。単に、保守派としてのポジションを示すために、支持者に受けのいいポーズを取っているだけではないか」

 

このように高森さんが疑問を呈するのは、4月29日に日本武道館でおこなわれた日本政府主催の「昭和100年記念式典」での高市首相の振る舞いを間近で見たことが理由だ。

 

「式典には私も出席しましたが、まず驚いたのは、天皇皇后両陛下を出迎えたのが、式典委員長の高市首相ではなく、副委員長の木原稔官房長官だったことです。何より、式典で天皇陛下の“おことば”がなかったことには愕然としました。1968年の『明治百年記念式典』では、佐藤栄作首相が昭和天皇と香淳皇后の先導役を務め、昭和天皇は立派な“おことば”を述べられています。

 

この日の式典の目玉の1つは、海上自衛隊音楽隊による昭和の名曲コンサート。天皇皇后両陛下も楽しんではおられたようですが、高市首相が両陛下の御前なのに曲に合わせて体をくねくねさせてノリノリな姿に、会場の“高市ファン”と思しき、地方議員たちも“引いて”いました」

 

そんな高市首相が皇室典範の改正に前のめりなのは、背後にいる“大物政治家”の意向を汲んだものだという。皇室史にも詳しい宗教学者の島田裕巳さんはこう指摘する。

 

「皇室典範改正の問題で、もっとも重要人物になっているのが自民党の麻生太郎副総裁(85)です。『安定的な皇位継承の確保に関する懇談会』会長で、今回の『立法府の総意』を受け、6月11日の勉強会でも『今国会での皇室典範の改正』を強く求めています。

 

とくに強くこだわっている『男系男子』による皇位継承は麻生氏の悲願と言っていいでしょう。麻生氏が自民党のなかで、今ももっとも影響力を持つ政治家であることは間違いありません。5月21日には、高市首相を支えるという目的で『国力研究会』が開かれましたが、筆頭発起人で最高顧問は麻生氏でした。

 

研究会には自民党の所属議員の8割強が集まりましたが、それは、麻生氏の研究会に乗り遅れたら冷遇されるという恐怖からでしょう。高市首相も、麻生氏に表立って逆らいたくはない。それもあって、皇位継承の問題は麻生氏に一任したのです」

 

その結果が「男系男子」に固執し、「愛子天皇」の誕生を阻む今回の皇族確保策というわけだ。島田さんは、「麻生氏には、どうしても皇室典範改正を実現させたい事情がある」と指摘する。

 

「麻生氏は現在85歳。年齢から考えると、次の衆院選に出馬することはないでしょう。すでに16選を果たしており、残された時間は2、3年しかない。残された現役政治家としての時間はかなり限られている。本人は当然、そのことを意識しているでしょうし、そこで『皇室典範改正』という大事業をなしとげ、それを花道に政界を引退したいという思いを抱いていても不思議ではありません。そうした個人的な思惑から、皇室のあり方を根本的に変える皇室典範の改正がなされていいものかどうか疑問は残りますが……」

 

そもそも、麻生氏は「安定的な皇位継承」を本当に望んでいるのかも疑わしいというのだ。

 

「皇族とはどういう存在であるとか、皇族にはどんな資格が求められるのか、そういう議論は一切されていません。旧宮家の男子を養子にする案もどれだけ現実的なのかわかりません。何より国民の多くは、女系・女性天皇に賛成している。天皇陛下も『国民の理解を得られるものを』と望んでおられる。麻生氏らは、その声を無視しても、『皇室典範改正』で名を残せばそれでいいと考えているのかもしれませんね」(島田さん)

 

「国民の理解」を求める天皇陛下のお言葉を、どのような思いで受け止めているのか――。

 

画像ページ >【写真あり「珍しくお顔を強張らせてる」という声も。“ご懸念”を述べられた天皇陛下(他17枚)

出典元:

WEB女性自身

関連カテゴリー: