地震の影響で壁が崩れた青森県八戸市のビル(写真:共同通信) 画像を見る

2026年に入って、日本列島で強い揺れが相次いでいる。とくに4月以降、震度5弱以上を観測した地震は11回も起きており、地震への不安を改めて感じている人も多いだろう。

 

そんななか、株式会社地震科学探査機構は、提供する地震予測サービス「MEGA地震予測」が6月25日に岩手県沖を震源とし青森県で最大震度6強を観測した地震について、事前に予測していたと発表。さらに6月16日の茨城県南部を震源とする最大震度5弱、M5.5の地震についても予測が的中していたと報告している。

 

地震の予測はどこまで進んでいるのか。地震科学探査機構の橘田寿宏代表に聞いた。

 

「従来の地震学はプレート、断層、地質など地下の構造や地震発生のメカニズムに注目しますが、我々が重視するのは、地震の前に地表や大気中に現れるとされる“前兆現象”。全国約1300カ所ある電子基準点の全球測位衛星システム(GNSS)のデータから地表の動きを捉えることで地震が起こる可能性の高い地域を分析していました。

 

2021年からは、AI解析、衛星画像データ、インフラサウンドと呼ばれる人間の耳には聞こえない低周波音など複数の観測データを組み合わせて、震度5以上の地震を予測しています」

 

この複合的な手法である「ピンポイント予測」の実用後、2022年は21件中15件的中で71.4%だった的中率が、2025年は21件中18件で85.7%に。さらに2026年は取材時点で16件中15件が的中し、93.8%に達しているという。

 

地震科学探査機構の出発点には、東日本大震災への強い悔いがある。

 

「東京大学名誉教授で、測量工学・リモートセンシング(物を触らず調べる技術)の世界的な権威である村井俊治氏が、震災前に異常データをつかんでいたものの、公表する手段がなく、結果的に伝えられなかったことを深く悔やんだことが創業の原点。

 

地震のメカニズムを解明するのは地震学者の仕事だとしても、前兆を捉えるのはリモートセンシングの領域ではないかと考えています。ただ、わたしたちは、予測が当たった、外れたということに一喜一憂はしません。また予測が外れることも恐れずに、これまで続けてきました」

 

「MEGA地震予測」サービスは有料で、週刊配信の「MEGA地震予測」が提供され、複数の配信形態(Web、アプリ、メルマガ等)がある。

 

現在の会員数は公表していないが、利用者は個人が圧倒的に多く、自治体やインフラ関連企業が加入することもあるようだ。

 

「利用者の声から、災害大国に住む日本人として、いたずらに災害を恐れるのではなく、前向きに情報や知識を得て、自分もまわりの人々の命も守るのだという心意気を感じています。ある方は、九州へ出張する前に警戒エリアを見ていたため、現地で震度5クラスの揺れに遭っても『来ると思っていたから慌てなかった』と話していました」

 

もちろん、地震予測をめぐっては懐疑的な見方も根強い。気象庁は、日時や場所を特定した地震予知情報について注意を呼びかけており、現在の地震学の主流は「いつ、どこで、どの規模の地震が起きるか」を短期的に断定することには否定的だ。

 

一方で、国土地理院に事務局があり、地震予知の研究・観測を行っている関係機関が集まり、地震に関する情報の交換と学術的な検討を行う地震予知連絡会事務局もこう語る。

 

「民間の活動である地震予測について、見解はございません」

 

地震予測をどう扱うか──まだ世の中の考えがまとまっていないなか、過度に信じ込むことも、頭から否定することも危うい。

 

だが、観測データを積み上げ、前兆現象を科学的に捉えようとする試みは続いている。地震大国に暮らす私たちにとって、予測情報は恐怖をあおるものではなく、備えを思い出すきっかけにはなるのかもしれない。

 

出典元:

WEB女性自身

【関連画像】

関連カテゴリー:
関連タグ: