「やっぱり出るんですね」
沖縄県知事選挙(9月13日投開票)へ向けて動向が注目されていた、元郵政民営化担当相で沖縄ファースト政策研究所の下地幹郎所長(64)について、2026年7月9日、地元紙の「琉球新報」が《(7月)13日に出馬を表明することが分かった》などと報じた。後援会幹部に伝えたという。
この一報を知った沖縄県政界関係者は冒頭のようにつぶやいたのだった。
そして7月13日、下地氏は那覇市内で記者会見を開き、沖縄県知事選への立候補を表明。「沖縄の政治を前に進める」などと意気込みを語った。
下地氏の出馬をめぐっては、報道と本人による否定が続いていた。6月18日付の地元紙「沖縄タイムス」が立候補する意向などと報じていたが、その前日の17日、下地氏は那覇市で記者団の取材に対し「私はもう出ません。第三極を探している。私以上にいい人がいることをまず前提としたい」と、出馬を否定していた。
6月19日、下地氏を電話で話を聞いた際には「妄想力豊かな人が、いろんなシナリオを書いていますね。まあ、妄想は自由だから。でも、出馬はしません」と断言していた。が、前出の地元政界関係者は当時「7月中旬に出馬表明するのではないか」と、下地氏の出馬否定発言を疑っていた。
今回の琉球新報の一報を受け、9日午前、あらためて下地氏に出馬の意思を確認すべくコメントを求めたが、政策研究所の担当者は「あれは報道ですので、それを受けての反応は考えていないです。(13日の出馬会見について)現時点では決まっていません。いまの段階でこちらからコメントできることはありません」と答えた。
「下地氏は会見で『早期に表明すれば他候補と関係もある私の仲間に迷惑をかけるかもしれないと思った』などと述べ、これまで出馬報道が出ても否定を続けてきた経緯を説明していました」(政治部記者)
県知事選は、米軍辺野古基地建設に反対するオール沖縄が推す現職の玉城デニー知事(66)と、自民党と地元経済界が推す元那覇市副市長の古謝(こじゃ)玄太氏(42)の一騎打ちになるとみられている。玉城知事は2018年に初当選し、3選めを目指している。
下地氏出馬に関しては、6月中旬、「元民主党代表の小沢一郎氏が暗躍している」といった奇妙な噂が地元政界に出回っていた。
小沢氏は、故・田中角栄元首相の“秘蔵っ子”と呼ばれ、自治大臣、内閣官房副長官、自民党幹事長などを歴任。自民党離党後は、新進党党首、自由党党首、民主党代表などを務めた衆院議員19回当選の超ベテランだ。だが、2026年2月の衆院選では、中道改革連合候補として出馬したが比例復活もかなわず、落選している。
「小沢氏の暗躍」とはどういうことなのか。同関係者が当時、こう話していた。
「現職の玉城氏は当初、優勢とみられていましたが、辺野古沖の転覆事故などの影響で、応援団であるオール沖縄への風当たりが強まり、3選に向けて雲行きが怪しくなっています。小沢氏と玉城氏は師弟関係にありますから、小沢氏が玉城氏のために下地氏に出馬をお願いし、古謝陣営の保守票を分断させることで、玉城氏を選挙に勝たせるよう画策している、という話が流れているのです。いわば“2馬力選挙”をやろうとしているのではないか、というのです。小沢氏が下地氏に『金も用意するなどと言って、口説いたようだ』という噂話も出ています」
当時、小沢事務所に取材を申し込んでいたが、小沢氏は事務所を通じて「下地氏とは政治的にも人間的にも関係がありませんので、すべてあり得ない話で、まったくの事実無根です」と全面否定の回答を寄せられていたのだった。
一方の下地氏も、6月19日に電話でこう話していた。
「まず、小沢さんは私との関係が深くないので、そんなことを(小沢さんが)言ってくることはないね。2つめに、4年前の知事選でデニーさんが勝った最大の背景は、無党派層(からの得票)が6割近くあったんですね。だけど、僕が知事選に出ると、そのデニーさんに入った票が僕に獲られるんですよ。だから、僕が保守票を食って、デニーさんが強くなるという構図は、方程式として成り立たない状況にあると思ったほうがいいでしょう」
つまり、地元政界関係者が話した“2馬力選挙”で保守票を分断させる作戦は成り立たないと説明していたのだ。
そんな状況のなかで出馬を表明した下地氏だが、沖縄知事選の情勢に大きな影響を与えそうだ。
画像ページ >【写真あり】自民党本部で行われた「沖縄物産展」で高市首相が手に取った“名産品”(他1枚)
