「日米のパートナーシップは、私たちの長い歴史の中でかつてないほど強固だ」
7月3日、東京・お台場で行われたアメリカの独立記念日および建国250年を祝うレセプションで、ジョージ・グラス駐日米国大使は小泉進次郎防衛相(45)、小池百合子都知事(74)らと特設ステージに登壇し、こう力強くスピーチ。
それに対し、小泉防衛相も「日米関係の200年近くにわたる歴史で両国の絆がこれほど緊密だった時期はありません」と挨拶。両国それぞれが“強固な日米関係”をアピールした。
だが、ネット上では
《どんだけ媚びたら気が済むのか》
《何で日本が祝わなきゃいけないの?》
《「日米同盟は強固」!いい加減拝米主義は終わりにして貰いたい!!日本の富がどれだけ米国に吸い取られれば気が済むというのか!!》
《何時から日本はアメリカの植民地になったのか?》
というように、“強固な日米関係”に対する手厳しい意見も多くみられた。
その背景には、「日米安全保障条約」による多大な負担がある。
その枠組みの中には、日本が在日米軍駐留経費(駐留軍等の労働者に対して支払う給与、隊舎や家族住宅の整備費、光熱水費など)を毎年負担する、いわゆる“思いやり予算”というものがある。その額は、5年間で1兆551億円(2022~2026年度)。年平均の負担額は約2110億円にも及ぶ。もちろん、これらすべては国民の血税だ。
日米両国は、約5年ごとに特別協定を結んで駐留経費の分担額を決めている。来年度からの5年間(2027~2031年)に適用される分担金交渉は、今夏から進められる予定だというが、さらなる大幅な増額を要求されるといわれている。
負担を強いられているのは、在日米軍駐留経費だけではない。「日米安全保障条約」に基づく日米地位協定により、日本は国内に76カ所もある在日米軍施設を“無償”で提供している。
つまり日米関係は、そもそも「対等な同盟」ではないのだ。
そこで強固な日米関係の“現実”を再認識するために、どれだけ日本の国土が米軍に“提供されているか。不動産評価に詳しい住環境コンサルタントの堀越謙一さんに、国内にある76カ所すべての在日米軍施設の全面積から、その地価を割り出してもらった。
その結果、米軍による国内の“在日米軍施設の地価”は、約16兆2500億円であることが最新の調査で判明した。これはベトナムの国家予算規模とほぼ同じレベルの金額だ(※1ドル160円で計算)。
「2年前に調査した結果と比較すると、在日米軍施設は同じ76カ所ですが、敷地総面積は全体で5千300万㎡減少していました。しかし、総面積は減ったものの、全国的な地価高騰を背景に、たったこの2年の間に、占領地価は約1.2兆円も増加していました」
そう語るのは、今回分析をしてくれた堀越さん。
7月1日、国税庁が公表した『令和8年分の路線価』は、全国平均で前年比2.9%上昇。5年連続の上昇で過去最大の伸び率を記録した。そして、都道府県庁所在地の最高路線価も、1991年以来、35年ぶりに下落地点がゼロとなるなど、地価上昇の大きな波は都市部だけでなく地方へもどんどん広がっている。
「たとえば、横田飛行場(通称・横田基地)は福生市を中心に、武蔵村山市、立川市、昭島市、羽村市、瑞穂町にまたがっています。とくに福生市の場合、市の面積の約1/3が在日米軍施設です。横田飛行場の推定地価は約1兆2400億円。
このエリアは安定した優良な地盤で、地域的にも都心から電車で1時間程度。そんなベットタウンとしての性格を持つ好立地な場所です。そこに東京ドーム150個分の在日米軍施設が横たわっているという状況です。
基地内には米軍関係者の住宅や病院、学校、教会などのほか、野球場やゴルフ場までも備わっており、ある意味、一つの独立した自治体ともいえます」(堀越さん)
横田飛行場だけではない。仮に16兆2500億円分の広大な土地が解放されて住宅地となれば、周辺の地価は下がり、購入金額も地価高騰の今よりも大幅に安くなる可能性がある。
米国の同盟国の中で、国内に76カ所にも及ぶ米軍施設を“無償”で提供し、毎年膨大な思いやり予算まで負担している国は日本だけ。
この現実の中で、“強固な日米関係”をアピールされても……。
画像ページ >【一覧あり】米軍施設76カ所の地価総額(他2枚)
