「自由民主党と連立を組む日本維新の会(以下・維新)、肝煎りの『副首都関連法案』は衆議院を通過しましたが、参議院での審議入りのめどは立っておりません。政府・与党は国会の会期を7月25日まで延期して成立を目指すものの、少数与党の参議院では、数で勝る野党に法案が否決される可能性があります」(全国紙政治部記者)
自民党と維新が、連立政権合意書に盛り込んだ衆議院議員の「定数削減法案」と「副首都関連法案」の成立が怪しくなってきた。両法案は野党だけでなく、与党・自民党内でも反発が大きく、すでに「定数削減法案」は今国会での審議は見送られている。
「副首都関連法案」とは、東京圏がテロや地震などの大規模災害によって首都機能が麻痺した場合、その政治・経済の機能を代替する「副首都」を設けるという法案だ。東京一極集中の是正を図ることを目的に、副首都の候補は「多極分散型経済圏の中核」となり得る道府県を対象としている。
ところが、代替えする副首都が当初から大阪ありきで進められていることに、野党をはじめ、自民党内や自治体の一部からも反発を招いている。
だが、高市早苗首相(65)は、維新の吉村洋文代表(51)と交わした“約束”を果たすために、あらゆる手段を使ってでも、今国会で「副首都関連法案」を成立させる意向で、その強引過ぎる手法に、ネット上では批判の声が上がっている。
《副首都法案のような国民にメリットもない中身がスカスカの法案を会期延長して再議決とかこの政権の酷さを象徴してます》
《大阪のための大阪都合に近い政策を、そんなに急いで採決する必要ない》
《何の為に法案を成立させるのか、誰の為の法案なのか、全く見失われていると感じる》
「批判されているのは『副首都関連法案』だけではありません。高市政権は、国民生活に直結する消費税減税、物価高対策などの緊急課題を後回しにして、日本の国旗を傷つける行為を処罰する『国旗損壊罪』、皇族数の確保に向けた『改正皇室典範』など、緊急性のない法案を優先し、国民からの怒りを買っています」(前出・政治部記者)
毎日新聞が7月18、19両日に実施した世論調査で、高市内閣の支持率が41%と始めて50%を下回った。副首都法案などの審議を強行するなど、政権・与党の国会運営が支持率低下の一因だとされている。
■野党幹部は「すでに維新はオワコン政党」と
その批判の矛先は、連立を組む維新にも向けられている。
《次回の選挙で維新は票を落とすだろう。それくらい無意味な法案》
《副都心案は、大阪の地域政党でしかない維新の我田引水の案》
《身を切る改革と言っていた維新がこの有様でガッカリ》
ネット上では、このような手厳しい意見が多い。「すでに維新はオワコン政党」だと、ある野党幹部はこう話す。
「先の衆義院選挙以降、保守系非自民の座はもう参政党に取って代わられ、維新の存在感は完全に薄れています。維新はここ数年、基盤である大阪府内の市長選でも勝てず、党勢衰退が著しい状況です。もう国政政党としての限界を感じているはずです。東京の選挙区などでは“泡沫政党”扱いですからね。このまま連立与党として存在感をアピールしていくしかないのでしょう」
与党・自民党内でも維新に対する目は冷ややかだ。自民党ベテラン議員はこう語る。
「高市首相は維新と約束した2つの法案を成立させなければ連立そのものが危うくなる。一方で、法案の成立を強行すれば、世論からさらにバッシングを受けて高市首相の求心力も低下するでしょう。党内では維新を切ればいいという意見もある。
だが維新も、自分たちの政策実現のために連立に踏み留まっていたいと考えている。だから次の改造内閣で閣僚を出すと言ってきた。連立を離脱して野党に戻れば、そのまま維新はジリ貧となり、崩壊まではしないが、大阪のみのローカル政党に逆戻り。そうなることぐらい自分たちもわかっているはずだよ」
次の秋の臨時国会に先送りされた「定数削減法案」も、自民党内の反発も大きく「成立するかは不透明」だという。
高市首相も、まさか連立のパートナーが政権の足かせになるとは思っていなかったはず。国民生活より維新を優先すれば、年内に“共倒れ”のリスクが出てくる。
画像ページ >【写真あり】今年1月、大阪府知事選で街頭演説を行う維新・吉村洋文代表(他1枚)
