7月28日の発災から、連日35度以上の猛暑日に見舞われている熊本市内。8月3日にはついに歴代1位の40.3度に達し、初の「酷暑日」となった。
被災者やボランティアの健康状態が心配されるが、消防庁は8月4日、熊本県内で7月27日から8月2日までの7日間で、309人が熱中症により救急搬送されたと発表した。
この暑さは、いつまで被災者を苦しめるのか。気候変動に詳しい、東京大学先端科学技術研究センターのシニアリサーチフェロー・中村尚名誉教授に聞いた。
「今夏の猛暑は、熱帯の高温の空気と、温帯の涼しい空気との境目を吹く、対流圏上層の偏西風『亜熱帯ジェット気流』が、日本上空で北に蛇行したため起きました。
蛇行により、西日本・東日本ともに背の高い暖かい高気圧に覆われ、下降気流が発生。そこに、晴天の日射の効果も加わって地表の気温があがりました。さらに、進行中の地球温暖化の影響もあり、記録的猛暑になっています」
中村名誉教授は、「この暑さは西日本を中心に続く」と予測している。
「過去4年の記録的猛暑でも、亜熱帯ジェット気流が日本付近で北に持続的に蛇行するという特徴は同じでしたから、“今年特有の気象現象” ということではありません。
ただ、今年はジェット気流の蛇行域がやや西にずれているため、西日本中心の猛暑となっています。東日本ではオホーツク海高気圧の影響で、時折、猛暑が途切れています」
西日本を厳しい暑さが襲う条件が揃っている今夏だが、中村名誉教授は、8月7日にも沖縄に最接近するとみられる、台風13号の動きにも注意を促す。
「今後は強い台風13号の影響もあり、ジェット気流の北偏が広範囲に及ぶことで、北日本でも気温が高くなる可能性があります」
では、この暑さはいつまで続くのか。
「高温は8月いっぱい続くでしょう。残暑がどれほど続くかに影響する要因のひとつは、夏から秋にかけて、スマトラ島沖などインド洋南東部の海面水温が平年に比べて低くなる『インド洋ダイポールモード現象』が発生するか否かです。
この現象が発生すれば、日本の南海上で積乱雲の活動が高まり、その影響で亜熱帯ジェット気流の北偏が日本付近で持続、高気圧の張り出しが引き続き強くなり、残暑が厳しくなる可能性があります」
人智を結集しても「自然」には逆らえないが、被災地の苦難が早く終息することを祈りたい。
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