9月16日にもおこなわれるとみられる、自民党役員人事と内閣改造。高市早苗首相は、9月9・10日の2日連続で麻生太郎副総裁と会談。人事構想は大詰めを迎えているようだ。
「衆院で当選5回以上、参院で当選3回以上が “入閣適齢期” と言われます。これまでは、派閥のトップが適齢期を迎えた議員を首相に “推薦” していましたが、裏金問題で派閥は麻生派以外解散。
そのため、高市首相は、鈴木俊一幹事長の名前で、党所属の当選2回以上の衆院議員を対象にネットアンケートをおこないました。希望する役職を最大5つ、その理由や取り組みたい政策などを記入する形で、議員の希望や適性を踏まえて判断することにしました。
高市首相は提出されたすべての回答に目を通したそうで、木原稔官房長官は、『首相は当選回数にかかわらず、実力主義で副大臣や大臣に起用するでしょう』と語っています」(政治担当記者)
ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう語る。
「当選回数が少なく、高市首相と接点があまりない議員は、『自分の思いが伝えられる』と好意的に受け止めています。一方、中堅以上の議員からは『なんで書かなきゃいけないの?』と否定的な意見も聞こえます。いずれにせよ、派閥がなくなったいま、自己申告制は新たな人事の方法かもしれません」
だが、こうした方法をとるのは、諸刃の剣との見方もある。これまで以上に高市首相に難しい判断を迫ることになり、一歩間違えれば、「2027年の総裁選再選が危うくなる可能性がある」と考える自民党関係者もいるのだ。いったいどういうことか。
「最大の理由は “待機組” が多いことです。2012年の衆院選で初当選した『安倍チルドレン』はおよそ120名。その後、5回の選挙を経て、入閣適齢期の議員は相当います。もちろん、チルドレン以外にも待機組は多く、そのため自民党は “人事の目詰まり” を起こしているのです。
一方で、当選回数が少ない議員のサプライズ登用も目立ちます。高市内閣では、デジタル担当相の松本尚衆院議員と経済安全保障相の小野田紀美参院議員が、いずれも当選2回のときに入閣しました。
“待機組” の不満は高まるばかりで、入閣が見送りになった適齢期議員の鬱憤が、高市首相本人に向かうことが想定されるのです」(前出・政治担当記者)
さらに、派閥裏金問題にからんだ議員の処遇も悩みの種だ。木原官房長官は9月10日に出演したフジテレビ系のオンライン番組『ニュース延長戦はじめます。』で、「政治資金の問題でいろいろと注目された議員」について、このように語っている。
「衆議院議員の場合は、もうすでに2回選挙を経ていますから、国民の信任を得ています。参院も1回は選挙をされている方がいる。選挙が、なによりも国民の審判として重要です」
この発言を “裏金議員の起用もあり得る” というメッセージだと取った人も少なくないが、世論の反応は厳しいようだ。8月22~23日に共同通信社がおこなった世論調査では、派閥裏金問題で処分を受けた議員を重要ポストに起用することに「反対」する回答が73.8%にもなっている。また、Xにも《当選することは「裏金の正当化事由」とはならない》といった批判の書き込みが寄せられている。
鈴木氏もこう断じる。
「『選挙で選ばれたからみそぎが済んだ』というのは、ある意味、正しいと思います。ですが、裏金問題はじつは何も解決されていないんです。誰が始めて、大金がどう使われたのか。『知らなかった』などあり得ないですよ。道義的な責任を果たしていないからこそ、国民は納得していないのです。この裏金問題は、これからも人事に影響すると思います」
ちなみに、木原官房長官自身は、自身が登場した番組のタイトルが「“不記載議員” 入閣可能性も」となったことに、自身のXで《タイトル…そうなるか…》とぼやきの投稿をしていた。
永田町には「人事には魔物が棲む」という格言がある。高市首相は魔物を操れるだろうか。
画像ページ >【写真あり】高市首相の頭をよくみると……(他3枚)
