ゾンビたばこと呼ばれる指定薬物「エトミデート」を、広島カープの羽月隆太郎元選手(26)に譲り渡したとして、医薬品医療機器法違反容疑に問われていた滝口涼介被告(38)の初公判が、9月16日、広島地方裁判所であった。
午前10時半の開廷を前に、裁判所には9時過ぎから153人の傍聴券を求める人が集まった。その中にいたカープファンはこう話す。
「今日が滝口被告の裁判だとわかっていました。羽月選手の時も傍聴に来ましたが、滝口被告がどんな証言をするのか聞きたかった。この騒動のせいで、今年のカープはボロボロになりましたからね」
別のカープファンも、冒頭の通り怒りを隠さなかった。
「ゾンビたばこを買った選手も悪いけど、あの売人さえいなければ今年のカープはこんなことにならなかった。新井監督がかわいそうですよ。今じゃあ広島スタジアムのチケットが当日でも買えるようになった。年間シートを持っている人でさえ『もう行かない』と言っている。誰も主力がおらんくなって観に行こうと思わんですよ。怒りを通り越して呆れているというのがファンの気持ちでしょうね」
地裁に現われた滝口被告は、青色のスリーピースのスーツにえんじ色のネクタイ。長い髪を後ろで結び、マスクを着けていたため、顔の表情をうかがい知ることはできなかった。弁護士に付き添われ、少々おどおどとするような様子を見せながら神妙な面持ちで裁判所に入っていった。
裁判は初公判でその日に判決を下すスピード裁判。10時30分に開廷した裁判は、わずか30分ほどの審理を終え途中休憩に入った。11時30分に再び開廷し、滝口被告は拘禁刑2年、執行猶予4年の判決を言い渡された。わずか1時間10分ほどの裁判が終了した。
裁判中、滝口被告は途中髪を気にするしぐさをしていたものの、両手を腿に乗せ、神妙な受け答えに終始していた。
「今回は羽月さん、球団、ファンに対して申し訳ないことをしました。羽月選手とは仲良くしていただいた。その羽月選手の人生を奪ったことは申し訳ありませんでした。自分に会わなければそうならなかったと思います」
法廷では終始、このように謝罪と反省の弁を述べた滝口被告だったが、当の羽月選手が自身のSNSで「自分も含め6人の選手が滝口被告からゾンビたばこを購入していた」と暴露した件については、「羽月選手以外にゾンビたばこを渡したことはない」と強く否定し、検察側もそれ以上追及することはなかった。
ただ、羽月氏のほかにチームでは、矢野雅哉選手や前川誠太選手が広島県警の家宅捜索を受け、一軍登録を抹消された。ただ、各選手らと滝口被告との関係は何も解明されず、いまだ闇に包まれたままだ。
画像ページ >【写真あり】ゾンビたばこ“売人”裁判に長蛇の列が……(他4枚)
