石井準一参議院議員(左)に挨拶をする高市早苗首相(写真:共同通信) 画像を見る

「参院役員の人事権は私にない。参院会長が決めたと承知している」

 

9月16日、自民党の石井準一参議院幹事長(68)の退任について、記者から質問を受けた高市早苗首相(65)は、自らの関与を強く否定した。

 

今回の高市内閣改造および自民党役員人事において、今井絵理子参院議員(43)の内閣府副大臣就任や、元民主党の若きエースだった細野豪志氏衆院議員(55)が、自民党入党後初となる復興兼防災担当大臣就任といった、新たな顔ぶれの話題が目立つ中、党内では、ある“異例の人事”に激震が走っていた。

 

高市首相本人は関与を否定したが、自民党内で“参議院のドン”と称される石井氏が自民党参議院幹事長の職を解かれ、参議院議院運営委員長の青木一彦氏(65)に交代させられたことが、大きな波紋を広げている。

 

参議院の人事権は党則上、参議院会長が持ち、首相(党総裁)の権限が及ばない、いわば“聖域”とされてきた。ところが、

 

「長きにわたる暗黙の了解を、高市首相はあっさりとブチ破った」(参議院自民党関係者)

 

党内では、高市首相が石井氏を事実上“更迭”したと受け止められており、その驚きと今後の政局への懸念の話で持ちきりになったという。

 

「今回の人事で、自民党内や永田町で話題になったのは、8割が石井準一氏の更迭。残りの2割が林芳正総務大臣(65)の退任劇でした。細野氏の入閣人事や今井氏の副大臣就任なんて、ほとんど話題にすらなっていません」

 

そう語るのは、自民党のベテラン秘書。

 

石井氏は、参議院自民党の中で約40人もの“派閥”(自民党参議院クラブ)を抱え、党内に影響力を持つ“参議院のドン”として君臨している人物だ。参議院では自民党と日本維新の会による連立与党は、議席数が半数に満たない少数与党の状態である。石井氏は、この厳しい議席状況の中でも、独自の人脈と緻密な国対手腕を駆使し、法案や予算の成立を陰で支えてきた。本人も参議院幹事長のポストに留まり、引き続き参議院を取り仕切る意向だったといわれている。

 

ではなぜ、高市首相はこれほどの実力者を“排除”したのか。その背景には、今春の予算審議を巡る“行き違いと確執”があったという。

 

「予算審議の際、石井氏は“荷崩れなし(野党の一部を取り込んだ状態)で、衆議院をしかるべき期日までに通過させてくれれば、参議院でも年度内に通す”と、高市首相に伝えていたそうです。

 

ところが、衆議院で国民民主党らが反対に回り、当初想定していた状態で法案が参議院に送られてこなかった。石井氏にしてみれば前提条件が崩れたわけですが、それでも粘り強い調整を行い、約1週間遅れで予算を成立させた。参議院側からすれば“よくやった”という評価だったのです」(全国紙政治部記者)

 

しかし、高市首相の受け止め方は違った。

 

「野党側との調整で参議院審議に時間を要し、暫定予算の編成に追い込まれたことから、高市首相は“(年度内成立の)約束を破られた”と激怒。石井氏への不信感を募らせたようです。高市首相はもともと政策立案が好きでガリ勉タイプといわれる政治家です。その一方で、泥臭い国会仕切りや党内政治の感覚には疎い面がある。党内では、高市首相が参議院の慣行や石井氏の苦労を理解せず、恨みを重ねる形で今回の更迭に至ったといわれています」(前出・政治部記者)

 

参議院の議員にとって、大臣ポスト以上に重いのが、じつは参議院幹事長や国対委員長の役職だといわれている。

 

「石井さんはまさにハウス(参議院)のボス。そのボスを叩き切った高市首相に対して、参議院自民党内には冷ややかな視線が広がっています。実際、今回の副大臣や政務官の人事で“石井さんに気遣って拒否した(断った)人がいたのではないか”という噂も流れましたから」(前出・参議院自民党関係者)

 

10月5日から始まる秋の臨時国会では、食料品の消費税率を2年間限定で1%に引き下げるための関連法案をはじめ、衆議院議員定数削減法といった重要法案の審議が始まる。さらに年明けの予算審議など、一筋縄ではいかない重要案件も目白押しだ。

 

永田町では、石井氏がこのまま大人しく引き下がるとは誰も考えていないという。

 

「これまで石井氏は、与野党の狭間で数票をかき集め、法案を通す“職人技”を見せてきました。しかし、その石井氏が反旗を翻したり協力を拒んだりすれば、参議院での予算審議や法案成立が難しくなるリスクが一気に高まります。

 

新幹事長となった青木氏も、石井氏には相当な気を遣わざるを得ず、参議院自民党は二重構造化していく可能性があります」(前出・政治部記者)

 

さらに、「改造内閣人事で外された林芳正氏が、石井準一氏と裏で連携するのではないか」という噂も駆け巡っている。

 

「来年9月には自民党総裁選が控えています。もし秋の臨時国会や来年の通常国会で参議院が空転し、政権運営が手詰まりになれば、来年の“次の総裁選候補”を巡る動きが活発化するでしょう。

 

かつての岸田政権末期のように、任期満了で高市首相が出馬断念に追い込まれるシナリオも否定できません」(前出・参議院自民党関係者)

 

党内からは早くも「高市政権は春まで持たないのではないか」という声すら囁かれ始めているという。

 

参議院という“聖域”に手を突っ込み、最大の後ろ盾になり得た男を更迭したとされる高市首相。秋の臨時国会の開幕とともに、「高市VS.石井」の全面戦争、そして政権の命運を懸けた壮絶な化かし合いの幕が上がるか、今後の動向に注目したい。

画像ページ >【写真あり】高市首相が目を見開き…困惑集める5年前の“異様な動画”(他4枚)

出典元:

WEB女性自身

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