「いいことだ」と言った吉村知事(撮影:長谷川新) 画像を見る

「人の心があるんかな、と思いました」

 

大阪府の対応にそう憤るのは、大阪・関西万博のアンゴラ館建設工事で約4,300万円の未払い被害に遭った「万博工事未払い被害者の会」代表の来田健二さん(43)だ。

 

万博閉幕から1年。いまだ多くの下請け業者が工事代金を受け取れないなか、アンゴラ政府が来田さんに対し、未払い金の約4割に当たる約1,700万円を支払ったことが10月13日に明らかになった。

 

在阪記者は、こう解説する。

 

「アンゴラ政府には、来田さんに直接支払う法的義務はありませんでした。それでも“人道上の理由”から救済に踏み切ったのです」

 

一方、万博協会の副会長を務める吉村洋文大阪府知事(51)は14日の会見で、「未払問題はないほうが絶対いいに決まってる」としたうえで、アンゴラ政府の対応について「いいことだ」と歓迎。大阪府や万博協会による立て替え払いには「法的根拠がない」として、救済は難しいとの認識を改めて示している。

 

来田さんは、こうした吉村知事の姿勢に強い疑問を投げかける。

 

「アンゴラ政府に迷惑をかけたわけじゃないですか。それなのに万博の開催者として、『いいことだ』ではすまないでしょう。本来、大阪府知事として、万博協会の副会長として、『アンゴラ政府に感謝します』と、まず謝意を述べるべきだと思うんです」

 

■「君を助けるためにがんばる」アンゴラ政府が動いた舞台裏

 

来田さんは2025年2月、開幕が迫るアンゴラ館の電気工事に五次下請けとして参加。約20人の職人を投入し、徹夜を重ねて工事を進めた。しかし、約4,300万円の工事代金が未払いとなり、経営危機に陥った。

 

来田さんは昨年6月中旬、アンゴラ館の館長に直接、未払い被害を訴えたという。

 

「現場ではお互いによくコミュニケーションを取っていたので、向こうも『まさか君が未払いの被害に遭っているとは』と驚いていました」

 

さらに、同月末に来田さんが開いた未払問題についての記者会見の直後、アンゴラ政府側から面会を求める連絡があった。

 

「事情を説明すると、『それは大問題だから、私ができることは最大限する。館長は君を助けるためにがんばるよ』と言ってくれたんです」

 

それから約1年。アンゴラ側は救済方法を模索し続けたという。

 

「支払いが実現するまでには、さまざまな問題がありましたが、その間も館長から何度も『心配しなくても、私は助ける』という連絡をいただきました。

 

支払いの直前にはビデオ通話をくださり、笑顔で『もう心配しなくていいよ。問題なく支払いができるところまでこぎつけたから、安心してください』と伝えてくれたんです。アンゴラ政府の人道的な配慮に、心から感謝しています」

 

そして7月、約1,700万円が振り込まれた。

 

「やり取りしたメッセージの文面には『humanitarian reasons(人道的な理由)』と書かれていました。本当にびっくりするぐらい誠意が伝わってきた。アンゴラ政府の対応は、もっと称えられるべきだと思います」

 

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出典元:

WEB女性自身

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