第16話 D-DAY!!

私は、この日のために息子をシドニーの父親の元に預け、この日を目指して母とともに生きて来た、といっても過言ではなかった。遂に!!母が、ご近所の脳神経外科医に診てもらう日が、やって来た。

私がこれまでに学んだことは、事前に母にあまり何やかんや言わない、ということだった。

一時(いっとき)でも母の心を乱すことは、意味がないように思われたし、何よりも母にとって、予定やら計画は、無意味になっていたからである。ただし、事前に1人で脳神経外科に出向き、いわゆるロケハンは、済ませてあった。もちろん、先生にも撮影許可を頂いた。

撮影の準備は、万端である。

心配は、あった。医者嫌いの母のこと、その場で拒否されたら、どうしようか。
私には、その場で対応するしか道は、ない。
とにかく、何があってもカメラを回し続けよう。

母にカメラを向けて8ヶ月、ほとんどビビることはなくなり、自分でも肝がすわってきたと感じる。
自分の本能に忠実に従い<今を生きる>母。

そんな母の脳は、どうなっているのか。

ああ、それにしても、ここまで4ヶ月の月日が、必要だった・・・

 

ドキュメンタリー映像作家 関口祐加 最新作 『此岸
彼岸』一覧

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 関口家でも使っている、家族を守る”みまもりカメラ”