第19話 母とアリセプトの関係

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母の医者嫌いは、筋金入りだ。
今に始まったことではない。

しかし、よくよく考えてみると、この母の医者嫌いは、母の性格や心理と深く関わっているのではないか。

今回の<アリセプト事件>で、母の本音が、垣間見られたような気がした。「医者は、高いところからの目線」と言い切ったからだ。母は、自分が、劣等感を感じるような人を嫌う傾向にあるのだと思う。
強烈な「負けず嫌い」なのである。しかし、母のそんな性格は、関口家との関係を複雑にしたのではないか。今、そう思う。

父の母(祖母)は、母方の祖母と同じ明治生まれだったのに<お変人>と周囲から言われ、当時とすれば、考え方がユニークで、しかもそれを実行した人物である。まず、自ら避妊を実行し、子供は、3人しか持たなかった。世は、富国強兵の時代であるというのに。そして、父を含め、子供3人全員に大学教育を望んだのである。一番上は、伯母だったが、女子たれとも差別無く、大学に行かせた。

私は、そんな祖母のことをとても敬愛していた

死ぬまで一緒に住んだ祖母は、中学生の私に向かって「自分のやりたことを見つけなさい。結婚にこだわることはない。女の幸せは、結婚だけではない。」と言い続けてくれたのだから。この祖母の考え方は、母と一致していたのか、どうか。そして、母の父の姉(伯母)に対するライバル意識は、強烈だった・・・

幸か不幸か、今回のその相手は、脳神経外科の先生になってしまった

ただ、母のそうした<闘争心>は、母に生きる活力を与え、いや、今や生きる目的そのものを与えていると言ってもいい位だ。老いて、ボケて、益々盛んである母。そして、心のどこかでいつまでもそうあって欲しいと願う私。

でも、私は、そんな母に完全に圧倒されている

 

ドキュメンタリー映像作家 関口祐加 最新作 『此岸
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