第23話 過激な母のお盆
一般的に世間のお盆は8月だが、これは いわゆる旧盆で、関口家のお盆はいつも7月に行われる。
春のお彼岸のお墓参り後、恒例の入りの2日目に家にやって来たお坊さんを前に母は、落ち着かずウロウロして、私のことを仰天させた。
一体全体、この夏のお盆は、どんな案配になるんだろう・・・
今や私が母で、母が子供のような立場の逆転を感じてしまう。
もちろん母は、私がそんな風に感じていることなど、理解も出来ないのだが。7月から真夏のような厳しい日差しの中、母は、お盆のお墓参りに行かなかった。いや、興味も示さなかった、という方が、正しい。
以前にも書いたが、私は<それでいいんじゃないの>と考える。
母は、朝晩に仏壇にお明かりを上げ、「南無阿弥陀仏」を唱えている。お墓参りは、我々若い世代が、引き継げばいいことだ、と。
今回も母は、一生懸命お盆の支度をし、手を合わせた。母が祈っているのは、「父に早くお迎えに来て」ということだと知っていたので、カメラを回しながら、そのことを聞こうと思った。が、母が、あまりにも集中していたので、止めた。
ふとレンズを通して、仏壇の仏花が、枯れていることに気が付いた。
私は、焦り、お坊さんが、来る前に仏花を買いに走った。
母は、悠々と私が買ってきた新しい仏花を花瓶に入れ始める。美しい菊の花だった。
ここで、初めて母に話しかけてみた。まあ、母との会話でも撮ろうか、という軽〜い気持ちだったのである。
ところが、どっこい、抱腹絶倒、チョー過激な会話になってしまった!ブッタマゲーション!!(9月18日の動画をお楽しみに!)
ひょっとして、母は、カメラを向けている私の思惑なんぞ知り尽くし、さらにその一歩先を行っているのではないか。
こんな時の母は、冴えていて、とてもアルツハイマー病とは、思えないなあ・・・
2010.9.18 (土) 更新予定!<動画23:アルツハイマー病の母と菊の御紋、お盆>
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