第24話 孫の効用
母は、妹一家が20年以上に渡って2階のアパートに家賃も払わず<居座っている>と怒っているのだが、それでも毎晩、2階から母屋にやって来る孫のこっちゃんには、メロメロだ。
孫のこっちゃん、つまり私の姪っ子だが、これまた不思議な雰囲気の子で、いわゆる通常の5年生の女の子とは、ちょっと違うのではないか。私が知っている5年生の女の子は、オーストラリア人だが、口達者で活発、同じ学年の息子は、いつもタジタジ、恐ろしくて近寄れない、と私に訴える。
ところが、こっちゃんは、そんな息子とも上手に付き合ってくれるので、イトコ同士、二人は、とても仲が良い。最も、こっちゃんも女の子の割には、下ネタ好き(遺伝!)なので、そこら辺りも大きいのかも知れない。
肝心の母にとっては、こっちゃんは、癒してくれる存在と同時に、世話を焼く対象でもある。
夜、こっちゃんが来ると、母は、日中誰が来ても絶対に出て行かない玄関にイソイソと行き、迎え入れる。
そして、毎晩毎晩、二人の間で繰り返される会話。それは、こっちゃんが、飲み物をラッパ飲みすることを忌み嫌う母の小言から始まる。
母:「ラッパ飲みしないで、コップに注いで飲みなさい。」
こっちゃん:「大丈夫、このまま飲みたい。」
母:「食べカスが、瓶の中に入って、気持ち悪いでしょ。」
こっちゃん:「大丈夫だよ。他に誰も飲まないし。」
この会話を母が、諦めるまで繰り返すのである。
でも、こっちゃんは、えらいっ!!澄ました顔をして母の相手になり、最後は、きちんと母のことも負かすのだから。
今回は、そんなこっちゃんにカメラを手渡してみることにした。どんな展開になるのだろうか・・・
2010.9.25 (土) 更新予定!<動画24:アルツハイマー病の母と孫のこっちゃん>
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