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「女性が主要政党の指名候補になるのは、我が国の歴史で初めてのことなのです」

これはアメリカの民主党大統領候補の座を確実なものにしたヒラリー・クリントン氏の言葉です。アメリカでは建国以来240年間で44人の大統領が選出されてきましたが、そこには女性がいないだけでなく、主要政党の女性指名候補すらいなかった。そういう意味では、今回のクリントン氏の指名獲得は、アメリカの歴史の中でも画期的な瞬間だといえるのではないでしょうか。

21世紀に入ってから、世界的に女性が大統領や首相として国家最高指導者になることが増えてきています。欧米だけでなく、アジアや中南米などでも次々と女性の国家指導者が誕生。例えば、その代表格にドイツのメルケル首相が挙げられます。メルケル首相は2005年に女性首相になってからほぼ毎年、アメリカ誌が選ぶ「世界で最も影響力のある女性」部門で1位に。欧州財政危機を乗り越え、腐敗やスキャンダルもなく、素晴らしいリーダーシップを発揮してきました。

世界で女性の参政権が初めて認められたのはニュージーランドの1893年。そのころ政治は伝統的に男性の領域で、女性がそこに入ることは一種の「タブー」ともされてきました。しかし性別や人種を理由に昇進が妨げられる「ガラスの天井」も、徐々に解消されつつあります。もちろん、まだ女性の国家最高指導者が選出されていない地域もあるでしょう。中東と北東アジア地域がその例です。一部の中東地域では女性が外出はもちろん、服装も自由にできないほどに抑圧されているのは周知の通り。そして日本と中国と韓国の北東アジア3カ国でも、男尊女卑的な思想が残っていると指摘されてきました。

そうした中、韓国で女性大統領が誕生したことは驚くべきことでした。当時の世界経済フォーラム(WEF)の性差別レポートによると、韓国の男女平等度は世界135カ国中108位、女性の経済参加率も116位を記録。海外メディアは朴槿恵氏が大統領になったことを「歴史的事件である」とまで報じました。このように韓国で女性大統領が誕生したことは大きなことですが、個人的にはそれよりも2000年に導入された「クオータ制」が素晴らしいと思います。クオータ制とは「男女平等を実現するため、議員や閣僚などの一定数を女性に割り当てる制度」。例えば女性議員を30%にする目標を立てたとしたら、30%分の議席を女性専用枠にするというものです。韓国では比例代表候補の30%を女性にするクオータ制が導入された結果、女性議員の割合は継続的に上昇しています。

いっぽう日本は国会議員における女性の割合が10%以下で、アラブ諸国と並んで最下位グループと言われています。安倍首相は指導的な地位における女性の割合を2020年までに30%に引き上げる「202030」を政策目標として掲げていますが、女性の非正規雇用化は進み、貧困問題も深刻化しています。しかし人口の約半分は女性です。そのため国民の声を適正に反映するという意味でも、「クオータ制」導入を本格的に検討する時期にきていると思います。

米国の未来学者ジョン・ネイスビッツ氏は、著書『メガトレンド』の中で、21世紀を「3F時代」と定義しました。ここでいう3Fとは、女性(Female)、感性(Feelng)、想像力(Fiction)を意味します。創造性や感性など右脳的な力が価値創造を先導する21世紀において、女性の柔らかさや繊細さはとても大切です。そういう意味でも、そろそろ日本でも女性が首相になっても良いのではないかと思います。

 

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