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幸せとは何でしょうね? 豊かに生きるとはどういう生き方のことを指すのでしょう? 息子とよくそのことを語り合います。友達が少ないからといってその人は寂しい人なのでしょうか? 関係の薄い友人に囲まれているよりも、心を真実許せる心強い親友が1人いるほうがいいんじゃないか、と言いましたら、うん、そうだね、と息子、納得しておりました。

離婚のあと、狭い家に引っ越しました。とっても広いうちに無理して住んでいたんですが、今は2人でちょうどいいサイズです。なあ、豪華な家に住んでいても豊かであるとは限らないよね、と言いますと、息子は、うん、そうだね、ときます。今の家が好きだな、と言います。パパの部屋と息子の部屋ががっているからです。狭いけど、どこにいても、声が届くサイズ。前の家は端にいたら何をしているか分からないくらい大きな家でした。お金がたくさんあるにこしたことはないけど、お金がないからといって貧しいとは限らないぜ、と言いましたら、そうかな、と息子が言います。貧しいというのは心の問題だからね、と言うと、息子、なるほど、と笑っていました。だって、成功しても孤独な人をパパはたくさん知っているよ。帰る家がそこにちゃんとあることが何よりも幸せだよ。家が大きい小さいは関係ない。学校が終わって、ちゃんと自分の家に帰ることが出来る幸せは神様が与えてくれたものだよ、と言ったら、く納得したようで、ぼくね、まっすぐ家に帰るの大好きだよ、いつもパパが待っていてくれるから、パパがドアを開けて笑顔で迎えてくれるから、と言ってくれました。

それ以上の幸せが人間必要でしょうか? さ、もうすぐ春が来ますね。でも、冬はまだまだ寒いです。温かくなる鍋をこれから息子と作って食べることにします。2人鍋。これも幸せの1つの味ですね。

ということで今日は「白菜鍋ピェンロー」をご紹介したいと思います。中国のチワン族の郷土料理です。白菜といって馬鹿に出来ない、ほんとうにしいお鍋料理になりますよ。白菜嫌いの息子がぺろっと白菜2分の1も食べてしまうのですからね。

材料:2~3人分、白菜半分、干ししいたけ5つ程度、鶏もも肉250g、豚バラ肉250g、春雨100g、塩、ごま油、の野菜だし1パックです。まず前日、干ししいたけを戻してだしを下ごしらえをしておきます。大きめのボウル1杯ほどがいいでしょう。白菜は根の側の白い肉厚の部分を千切りに、青い葉のほうはザク切りに。鍋にしいたけの戻し汁を入れ、白い部分の千切り白菜を全部入れて弱火で30~40分ほど煮込みます。このくらい煮込むと白菜の芯部も溶けます。そこにぶつ切りにした鶏のもも肉、豚ばら肉を投入し、続いてごま油大さじ5杯程度、かなり多めですが、注ぎます。さらに弱火で煮込む。あくをすくってから、残っていた葉の部分の白菜全部で蓋をします。鍋かられそうなくらいの山盛りに蓋です。さらに30分ほど煮込んでいると白菜がしなって、あら不思議、平たくなります。そこに春雨を入れまして、最後にごま油をさっと振りかけて完成。これを取り皿にそれぞれ移し、お好みで塩と一味をかけてお召し上がりください。塩は1人大さじ1~2杯ほど使います。いえ、これくらい必要なんです。出来ればゲランドの塩が最適。醤油は使いません。

だしとごま油の香りで十分、美味しい一品でございます。天才的な鍋ですので、されたと思って一度お試しください。はそこに玄米を入れてお雑炊でどうぞ。詳しいレシピと写真はこちらで。

ボナペティ!

エッセイで紹介されたレシピは、
辻仁成 子連れロッカー「希望回復大作戦」ムスコ飯<レシピ>で公開中!

辻仁成/つじ ひとなり

作家。東京都生まれ。’89年「ピアニシモ」ですばる文学賞、’97年「海峡の光」で芥川賞、’99年「白仏」で、仏フェミナ賞・外国小説賞を受賞。映画監督、演出家としても活躍。現在はシングルファザー、パリで息子と2人暮らし。

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