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いよいよ、本連載の「ムスコ飯」が、1冊のレシピ本にまとめられ発売となりました。題して『パリのムスコめし 世界一小さな家族のための』。去年の秋くらいから編集がはじまったのですが、とにかくはじめてのレシピ本ですしね、納得のいくものを作りたいと半年以上の期間を費やし、堂々の完成とあいなりました。

シングルファザーとして子育てと格闘してきた日々の中で、とにかく健康面や栄養のバランスを考え、しかも、美味しくて手軽で見栄えもよく、そのうえ、ちょっとご馳走に見えるパリ風の料理というものを心がけ、創意工夫を凝らしてきた数々の料理たちが、ここに一堂に会したわけです。まさに、「ムスコ飯」のオールスター大集合と言ってもよろしいでしょう。毎日高級レストランで外食出来りゃいいですが、そんな優雅な生活はなかなか……。レストランだったら何千円もする高級料理も我が家で作れば4人分数百円で作ることだって可能です。

「へえ、こんなのはじめて食べたよ。美味しいね」「まるで海外旅行に出かけたみたいじゃない?」「ママ。なんか、幸せだなぁ。明日も頑張るぞ」とご家族に喜んでもらえれば、頑張った甲斐があるというもの。シングルファザーになって2年、もともと料理は大好きでしたが、この2年間はまさにシェフになったような挌闘の日々でございました。第一に目指しましたことは「パパ、すっごく美味しいじゃん」と息子に言わせることでした。美味しいは笑顔を作ります。美味しいは幸せを作ります。美味しいは敵を作りません。美味しいは親子の関係を深めます。つまり、美味しいは愛情なのです。その愛情満載のレシピ本が完成したのですから、こんなにうれしいことはありませんね。奥様方の日々の料理を多少なりともお手伝いできるのであれば作家、いえシェフ冥利に尽きるわけです。メニューに困ったときなどに「辻家ではいったいどんな工夫をしているのかしら」と本を捲ってみてください。きっと、なんらかのお役に立てるはず。

写真撮影も自分ですべてやっております。写真に写っているお皿や、フォークにナイフ、そしてテーブルやまな板もすべて我が家の一部です。つまり、辻家のキッチンがここにあるわけです。息子を手塩にかけて育ててきたぞという自負がこの一冊にはびっしり詰まっています。「美味しい」の秘訣がこのレシピ本の中に隠されています。美味しいの裏技、秘訣、素早く作るコツ、軟らかく煮るアイデアなど、ご家庭をレストランに変えるあらゆるヒントがここには満載です。レシピ本『パリのムスコめし』が皆様の果敢な日々に多少でもお役立ち出来るのであれば、これ以上の幸せはございません。

さて、ということで今回は見た目に可愛く美しい蟹とマンゴーのサラダをご紹介したいと思います。材料です。蟹、マンゴー、赤蕪、オリーブオイル、マヨネーズ、マスタード、酢、塩、黒こしょう。まず、オリーブオイル、マスタード、マヨネーズ、酢を同等量で混ぜたドレッシングを作ります。マンゴーを小さめのサイコロサイズにカットし、ほぐした蟹とあえ、ドレッシングを加えます。薄くスライスした赤蕪をお皿に盛り、中心の蕪の上に蟹とマンゴーのサラダをのせるのです。周辺にマンゴーを散らし、ドレッシングを小さいスプーンでその周辺に点描のように配置します。抽象画を描く要領で盛り付けて完成。

マンゴーと蟹の相性は抜群なんです。酸っぱいドレッシングが春から夏の移ろいを爽やかに演出してくれる一品です。ご家庭で、あるいは土曜日の昼下がりのママ友の会の脇役にどうぞ。

ボナペティ!

エッセイで紹介されたレシピは、
辻仁成 子連れロッカー「希望回復大作戦」ムスコ飯<レシピ>で公開中!

 

【お知らせ】
『パリのムスコめし 世界一小さな家族のための』(定価1,300円+税・光文社)絶賛発売中!!

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