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シングルパパ友というのがおりまして、時々、愚痴を言い合ったりしております。人間ですからね、愚痴の一つも出ます。同じ境遇だからこそ分かり合えることもありまして、彼に愚痴るのが一番しっくりするのです。向こうは会社員ですから、時間に束縛されない私をうらやましいと言います。彼は実家の近くに住んでいるので、いつも誰かが助けに駆けつけています。とくにお母さまが孫のためにいろいろとやりますので、私はお前の方がよっぽどうらやましい、と言い張っております。

 

そのパパ友が再婚することになりました。えええ、と驚いたのは私です。うらやましいを通りこして、寂しささえも滲んできます。だって、愚痴を聞いてくれる相手がいなくなるのですから。その上、今後しばらくは、のろけ話ばかり聞かされる羽目になりそうです。悔しいったらありゃしません。しかし、面白いのは相手の女性にも連れ子さんがいること。こういう家族をフランスでは複合家族と申します。離婚率が高いですから、結構いらっしゃいます。

 

彼はまじめで料理も上手、その上に子供にやさしいので、きっといいお父さんになるでしょう。しばらくは彼の動向をチェックし、自分の老後のための参考にしたいと思っております。はい。うらやましい限りですね。家族が増えることを子供たちは喜んでいるのだとか。とっても、いい話ですね。

 

さて、今日はフランス家庭料理の中でもポピュラーな料理、ポーピエットをご紹介します。渡仏したばかりの頃、お肉屋さんに行きますと、たこ糸で結ばれた球状の肉料理がケースの中にどんと並んでおりまして、美味そうなんですな。大変興味があり、ある日買って食べてみましたら、ハンバーグとも異なり、まじでおいしゅうございました。子牛肉のも鶏肉のもありますが、今回は豚肉で作ります。

 

材料2人分:豚フィレ肉200g(薄切り肉でもOK。その方が簡単。6枚くらい)、ベーコン4枚、牛豚合いびき肉100g、玉ねぎ半個、エシャロット1個、にんにく1かけら、マッシュルーム150g(50gをみじん切りに、残りは薄切り)。卵1個、オリーブオイル、小麦粉小さじ2、白ワイン、生クリーム、クミンパウダー、パセリ適宜、塩・こしょう、乾燥バジリコ少々。

 

まずタネを作ります。ハンバーグの要領です。フライパンでみじん切りのにんにくをオリーブオイルで炒め、弱火で香りを移します。そこにみじん切りの玉ねぎを入れ、色づいてきたら、みじん切りのマッシュルーム50gを入れ、しんなりするまで炒めます。それらを牛豚合いびき肉の入ったボウルに投入し混ぜ合わせます。卵の黄身を1つ、塩・こしょう、クミンパウダー、バジリコ、パセリなどをお好みで入れてスパイシーな味に。塩・こしょうはちょっと強めで。

 

次に、豚フィレ肉をラップで覆い、麺棒でとにかく薄くなるまで引き伸ばします。面倒な場合は薄切り肉、またはしゃぶしゃぶ用の豚肉をご使用ください。具材を包むので、フィレ肉であれば直径15㎝程度の円形に伸ばし、真ん中に具材を置き、包みます。薄切り肉であれば花びらみたいに中心を合わせ真ん中に具材を置き包みます。ベーコンで周囲を囲み、たこ糸で球体が壊れないように結びます。

 

オリーブオイルを多めに入れ、熱したテフロン加工のフライパン鍋で表面をよく焼きます。香ばしい焦げ目がついたら、一度取り出します。そこにエシャロットと薄切りにしたマッシュルームを入れ、小麦粉を絡めて炒め、白ワインを振りかけ、最後に生クリームと塩・こしょうで味を調えれば、ソースが出来ます。そこで取り出しておいた肉をフライパンに戻し、蓋をして、10分ほど蒸し焼きにしたら完成。タコ糸をはさみで切り、皿に盛ってください。ちょっとゴージャスな夕ご飯になりますよ。

 

ボナペティ!

 

 

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