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今、私はパリの自宅のキッチンでこの原稿を書いております。シングルパパですから、子供が学校に出かけてしまうと家の中に1人。今、あなたもお1人ですか? 1人の時間って多いですよね。会社勤めの経験がないので、ずっと家にいます。みなさまとほとんど一緒です。仕事の合間に買い物や掃除や料理をします。ネットで日本のニュースなんかを斜め読みします。爆笑問題の田中さんにお子さんができた、というニュースを見つけ「タイタン(所属事務所)の先輩、よかったね」とつぶやいたりしています。もろもろ作業の合間なんかにツイッターやインスタもつぶやきます。

 

でも、ふとしたとき、このままおじいちゃんになっていくのかな、と悩んだりもします。男ってバリバリ外で働くイメージがあるじゃないですか、でも私はそういう人生を選びませんでした。キッチンの机に向かい、恋愛小説なんかを認めています。ラブシーンなんかでも、肉野菜の煮込みを作るその横で腕組みしながら、どんなキスかなぁ、フレンチキスにしたらえぐいかな、なんて職業的妄想を繰り広げております。キスシーンのみならず、どろどろの過激ベッドシーンもキッチンで考案しております。主人公が自殺を思いとどまる場面に行き詰まると気分転換にトイレ掃除なんかをはじめ、マッシュルームの石づきを一つ一つ取りながら、夫婦関係が元通りになるためのセリフなんかをねん出してます。ずっと家。飲み歩かないので、私は暗いパリの狭い家でモグラのように生きております。

 

ああ、恋愛とかしたいなぁ、でも、愛に走る力はもうないなぁ、と自嘲しながら。PTAの保護者面談とかで息子のクラスのお母さんがたに囲まれるくらいが関の山。ええ、2度ほど一緒にランチしたママ友はいます。オディールとかリサとかステファニーとか。でもね、違うんですよ。ここから恋愛が生まれることは皆無。不倫はいけません。とくに家族同士が仲良しのその相手のパートナーに手を出したらアウトでしょ。苦しむのは子供たちですからね。私には出来ない。そうそう、私の担当のA君は女性自身きっての“不倫担当”でして、最近立て続けにスクープを連発。私は彼女から届けられる早刷りなどをキッチンで眺めながら、一般論としてですが、「親が不倫して家に帰らなくなったら子供はどうなる? 本当に許せない」と小言おやじのようにつぶやく毎日なんです。ともかく、このキッチンからとりあえず脱出したい毎日なのです。誰か私をスキーに連れてって!

 

さて、今日は息子の友達のお母さんが我々父子によく作ってくださる、フランスの家庭料理、ミルフィーユグラタンをご紹介します。これ、本当に簡単なのでぜひやってみてください。

 

材料:ボンレスハム4枚(約160g)、マッシュルーム250g、すりおろしエメンタールチーズ100g(グラタン用チーズでも可)、エシャロット1個、白ワイン100ml、生クリーム200ml、トマトペースト大さじ1、ポルト酒大さじ1。

 

まず、白ワインを小鍋に入れ火にかけ、沸騰したらみじん切りにしたエシャロットを加えて煮詰めます。ここ大事。煮詰め切る前に生クリーム、トマトペースト、ポルト酒を加え、数分さらに煮込みます。次にフライパンにバター(分量外)を溶かし、マッシュールームをよく炒め、塩・こしょう(分量外)で味を調えたら、ソースの完成。グラタン皿にバターを塗り、ハム、炒めたマッシュルーム、作ったソース、チーズの順に重ねます。これをもう一巡、重ねます。220度のオーブンで約20分焼き、表面にきれいな焦げ目がついたら出来上がり。

 

超簡単ですけど、超おいしい、フランスのお母さんの味です。ご家族みなさんで仲良くつついてください!

 

ボナペティ!

 

 

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