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ツイッターなどで「十くん」と息子のことを呼んでツイートしてきたのですが、彼も13歳になり、社会性も出てきたので、今後は「息子」とだけ記し、しかも、彼のプライバシーに関しては一切ツイートしないことに決めました。彼はツイートを読むこともないのですが、反抗期真っただ中ですし、思春期ですし、父親であろうと彼のプライバシーは尊重しないとならないからです。

 

じゃあ、どこまでが彼のプライバシーなのでしょう? 仲良しのガールフレンドができたことを外で言われるのはいやかもしれません。たとえば彼が流した涙のことを外で言うのはよくないことかもしれません。

 

本人と話し合いました。「お弁当の写真はいいよ」と言ってくれました。この「いいよ」の中には、「たとえパパだからといえ、ぼくの生活に介入しないでほしい」が含まれているような気がしました。年頃なんですよね。わかります。自分にもそういう年齢の時がありました。だから、家族会議を開いてきちんと話し合ったのです。

 

「でもね、ツイッターがなければパパはあの孤独な時期を乗り越えて、お前を育てることができなかったのだよ」と言いました。「シングルファザーが決まった時、周りがみんな敵のように感じてならなかった時、1枚のお弁当の写真に多くの人の“いいね”が寄せられ、そこからパパは復活することができたんだよ」と言いました。すると息子は「わかるよ、みなさんには感謝している」と……。

 

でも、もう13歳です。フランスでは子供割引が利かなくなる年齢です。飛行機だって一人で乗って日本に戻ることのできる年齢。寂しいけれど、巣立っていく年齢になったということです。それはある意味、素晴らしいことじゃありませんか。ツイッターは今この瞬間を切り取るので、ごまかすことが難しいSNS。今後は、息子、として遠まわしに描いていければ、と思っています。それだけ、彼が成長を遂げたということなのですね。

 

さて、今日は辻家秘伝のドライカレーです。40年前、函館の五稜郭にある喫茶店ではじめて食べて大感動を覚えた幻のドライカレーを再現。本当においしいですよ。

 

材料4人前:牛ひき肉350g、にんじん中1本、玉ねぎ中1個、なくてもいいですが、あればエシャロット1個、にんにく1片、サラダ油適量、チキンブイヨン4分の1個(半カップのお湯で溶いたもの)、カレー粉大さじ2、パプリカパウダー少々、クミンパウダー少々、ソース(ニョクマムソース、醤油、酒、みりん、砂糖を各大さじ1で配合したもの)、ケチャップ大さじ1.5、レーズン適量、白ワイン少々、塩・こしょう少々、お米2合、サフラン少々、バター10g、乾燥パセリ適量、卵4個、酒大さじ1、みりん大さじ1、醤油大さじ1。

 

前の晩に煮卵を仕込んでおきます。卵を沸騰した湯で6分ゆでて、殻をむく。ジップロックにゆで卵と、煮切った酒・みりん・醤油を1:1:1の割合で入れ、冷蔵庫で一晩漬けたら煮卵の出来上がり。米を研ぎ、サフラン少々を入れて炊いておきます。フライパンにサラダ油をひき、みじん切りのにんにくとエシャロットを入れ、弱火で香りを移します。続いて牛ひき肉、にんじん、玉ねぎを入れ炒め、火が通りだしたら、チキンブイヨン、カレー粉、パプリカパウダー、クミンパウダー、ソース、ケチャップ、レーズン、白ワインを入れよくかき混ぜます。ぐつぐつと中火で炊き、水分が飛んできたら、最後にバターを。照りを出して完成。サフランライス(白ご飯でもおいしいですよ)をお皿に盛り、上にドライカレー、最後に煮卵を置き、残ったレーズンとパセリを振りかけたら、もう間違いなく、幸せな気分になるでしょう!

 

ボナペティ!

 

 

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